〜公家の歴史〜

羽林家（樋口）・高家　中条家

樋口

【ひぐち】

本姓：藤原氏。華族類別録第四十八類。

新家

外様

九条家門流

藤原北家高倉流。高倉永家の子で、水無瀬兼成の養子となった左中将親具朝臣の次男信孝を祖とする。

家紋	釣り巴？竜胆？
家業
江戸期石高	200石。
明治期爵位	子爵。明治17(1884)年7月8日誠康子爵授爵〔現代華族譜要〕。
菩提所	竜光院(北区紫野大徳寺町)。
居所	石薬師水流角。

樋口家系図

信孝までの系図は、堀河家系図を参照。

信孝	男子（早世）
	信康		康勝（母堀河康胤女。散位従五位下。承応2年11月4日（1653年12月23日）生。
				万治3年5月1日（1660年6月8日）卒）
			康資（母同。散位従五位下。寛文5年11月26日（1666年1月1日）生。
				寛文11年7月22日（1671年8月26日）卒。法名哲山。号青源院）
			康満（尾州住。号中条。伊豆守。従五位下。
				享保10年7月15日（1725年8月22日）卒。号恢巖院）
			康熈		康輝（千丸。母吉田兼敬女。散位従五位下。
						元禄11年10月17日（1698年11月19日）生。
						宝永2年8月26日（1705年10月13日）卒。法名智道。号千光院）
					男子（富喜丸。母吉田兼敬女。
						宝永2年7月30日（1705年9月17日）卒。号乗蓮院）
					基康		冬康		宗康（世々丸。母家女房。
										散位従五位下。号寛心院）
									宜康	⇒
									女子（慶姫。早世）
									福寿丸（母姉小路公文女。号明光院）
									女子（槌姫。母家女房。号玉泡院）
									三百丸（明和元年6月5日（1764年7月3日）生）
							義運（知賀丸。東寺。号宝泉院、改宝輪院。
								母家女房。継母同冬康。
								享保20年正月23日（1735年2月15日）生）
							女子（八千姫。母家女房。実高倉永秀女。
								寛延元年11月13日（1749年1月1日）生。
								明和5年正月6日（1768年2月23日）卒。号芳春院）
							亀久丸（母家女房。寛延2年10月29日（1749年12月8日）生。
								同年12月14日卒。号泰養院）
							女子（信姫。母家女房。
								寛延4年6月16日（1751年7月8日）生）
							女子（元姫。母家女房。
								宝暦5年6月21日（1755年7月29日）生。
								宝暦8年2月3日（1758年3月12日）卒。号元真院）
							女子（藤子。後桃園院女房。号藤内侍。
								後、侍従内侍。典侍。従四位下。
								禁中隠居号櫛笥小路。
								宝暦5(1755)年生。
								天保4年6月19日（1833年8月4日）卒）
							女子（悦姫。母家女房。
								宝暦6年11月5日（1756年11月26日）生。
								宝暦11年9月15日（1761年10月12日）卒。号秋岸院）
							虎丸（宝暦9年6月6日（1759年6月30日）生。母家女房）
							五百丸（母家女房。
								宝暦10年9月30日（1760年11月7日）生。
								東寺宝輪院為附弟。改千賀入寺。
								明和4年12月10日（1768年1月29日）得度。
								号遍智院）
							男子（鍋丸。母家女房。
								宝暦11年10月14日（1761年11月10日）生。
								明和元年9月3日（1764年9月28日）西本願寺
								院家勝授寺為附弟。改[王+常]丸）
							金千世丸（早世。母家女房。
								宝暦11年4月4日（1761年5月8日）生。
								同20日早世）
							行宣（本名伊康。母家女房。宝暦12(1762)年
								4月14日生。石井行忠嗣）
							男子（母家女房。宝暦12年12月22日（1763年2月4日）生。
								明和4年11月14日（1768年1月3日）興福寺僧
								為無量寿附弟）
							女子（和姫。母家女房。
								明和元年6月26日（1764年7月24日）生。
								明和3年8月7日（1766年9月10日）卒。号和光院）
							女子（多喜姫。明和3年4月9日（1766年5月17日）生。早世）
							延光（本名豊康。日野西勝貫朝臣嗣。母家女房。
								明和8年9月26日（1771年11月2日）生）
							女子（二条治孝妾。※系図纂要によるが、二条
								家譜に名は信子とあるので、信姫同人歟）
							女子（高丘紹季室。永季母）
					康英（母同。康満養子。号信濃。
						享保15年6月20日（1730年8月3日）卒。号真證院）
			女子（鈴木重長室）
			女子（松平忠勝室。号初。享保16年8月19日（1731年9月19日）卒。号本妙院）
			女子（松平図書室。号長）
			女子（竹腰正辰室。号立）
			女子（葉室頼重室。号久。元禄6年5月18日（1693年6月21日）卒。号凉月院）
			女子（早世）
			女子（西本願寺養女。阿野公緒室。千世。常盤井。貞正院。
				宝暦2年11月28日（1753年1月2日）卒）
	信慶（旗本。列高家。号中条左京）〔中条〕
	信久（中条信斎。正徳5年12月27日（1716年1月21日）卒。善珠院）
	女子（住関東。号梅。大猷院殿〔徳川家光〕上臈。
		天和3年8月20日（1683年10月10日）卒〔寛政重修諸家譜10月3日〕。号妙梅院。
		寛政重修諸家譜によれば、信慶姉）
	女子（住関東。本丸高瀬。宝永4年2月20日（1707年3月23日）卒。号雲清院）
	女子（号勘解由小路。松寿院。尾張大納言徳川光友妾。
		宝永2年10月7日（1705年11月22日）卒。葬于性高院）

⇒	女子（円通寺）
	寿康		保康		功康（母家女房。従四位上。文政4年7月23日（1821年8月20日）生。
						天保10年5月21日（1839年7月1日）止官除籍）
					男子（号性善院。母家女房。早世）
					男子（母家女房。文政8年3月29日（1825年5月16日）卒。
						号泡現大童子）
					静康		男子（母家女房。安政3年12月28日（1857年1月23日）生。
							同30日死去）
							女子（早世。母家女房）
							男子（早世。母家女房）
							女子（弥生姫。安政5年3月6日（1858年4月19日）誕生。
							安政6年8月20日（1859年9月16日）死去。母家女房）
							女子（静姫。安政6年11月3日（1859年11月26日）誕生。
							同年12月12日死去。母高倉永胤三女）
							女子（忠姫。文久元年3月6日（1861年4月15日）誕生。
							元治元年3月15日（1864年4月20日）死去。母家女房）
							女子（経姫。文久2年7月4日（1862年7月30日）誕生。
							同年8月18日死去。母高倉永胤三女）
							忠康（徳丸。元治元年10月24日（1864年11月23日）誕生。
							従五位下。慶応2年8月14日（1866年9月22日）死去）
							誠康（菊若丸。従五位下。
							慶応元年9月9日（1865年10月28日）誕生。
							夫人松木宗有六女千代子〔現代華族譜要〕。）
							男子（早世。母家女房）
							倍丸（明治4年2月12日（1871年4月1日）誕生。母家女房）
					女子（母家女房。北野社家室）
					民康（章丸、後改松丸。母石井行遠女。
						嘉永7年8月4日（1854年9月25日）生）
					女子（保子。母同。壬生桄夫妻。
						安政6年正月3日（1859年2月5日）生）
			男子（乙丸。母家女房。文化2年12月29日（1806年2月17日）生。
				文化5年7月14日（1808年9月4日）卒）
			女子（母家女房。関東上臈。号藤渓。
				文化4年5月1日（1807年6月6日）生）
			女子（八十姫。母家女房。文化5年7月13日（1808年9月3日）生。
				文政11(1828)年6月為石井行弘室）
			女子（信姫。母家女房。早世）
			女子（母家女房。文政5年5月17日（1822年7月5日）卒）
			女子（藤姫。早世）
			女子（豊姫。文政2(1819)年生。文政3年5月23日（1820年7月3日）卒）
			女子（弥生姫。文政5年2月29日（1822年4月20日）生。
				大聖寺宮上臈。号慈雲院）
			功康（保康為子）
	男子（嵯峨大覚寺宮院家大僧正寛恕為子）
	品丸（母家女房。早世）
	女子（町姫。母家女房。早世）
	信元（※系図纂要・華族家系大成による。七条隆則為子。
		七条家譜は、宜康女が信元妻）
	章康（※系図纂要・華族家系大成による。従五下返上位記）

*1保康　母家女房。文化元年8月12日（1804年9月15日）生。右馬権頭。正四位下。天保14年3月5日（1843年4月4日）出家。慶応4年5月3日（1868年6月22日）卒。号観生。

■色の名前は公卿。

樋口家公卿一覧

樋口　信孝: ［慶長4年12月24日（1600年2月8日）〜明暦4年7月20日（1658年8月18日）］; 左中将水無瀬親具朝臣二男。
母小田原城主中条出羽守女〔家譜。堀河家譜作中条出羽守持胤女〕。
法名・慈空。; 寛永14年正月5日（1637年1月30日）叙従三位。
従二位・参議。

樋口　信康: ［元和9年11月10日（1623年12月31日）〜元禄4年6月21日（1691年7月16日）］; 信孝男。母広橋兼勝女。崇厳院岳誉看山〔系図纂要〕。
一字名・木〔類聚名伝抄〕。; 明暦3年11月25日（1657年12月29日）叙従三位。
従二位・権中納言。

樋口　康熈（本名永康）: ［延宝5年11月30日（1677年12月24日）〜享保8年6月5日（1723年7月6日）］; 信康三男。母家女房。瑞善院常誉良照〔系図纂要〕。; 宝永4年正月23日（1707年2月25日）叙従三位。
正三位・非参議。; ※知譜拙記によれば、母は堀河康胤女。

樋口　基康: ［宝永3年7月11日（1706年8月18日）〜安永9年6月27日（1780年7月28日）］; 康熈二男。母家女房。観無量院〔系図纂要〕。; 享保21年正月5日（1736年2月16日）叙従三位。
正二位・権大納言。; ※知譜拙記によれば、母は吉田兼敬女。
※讃岐高松松平家譜によれば、室は松平頼豊女。

樋口　冬康（本名方康）: ［享保12年12月15日（1728年1月25日）〜明和5年11月28日（1769年1月5日）］; 基康男。母家女房。晴雲光院〔系図纂要〕。; 宝暦10年12月26日（1761年1月31日）叙従三位。
正三位・非参議。

樋口　宜康: ［宝暦4年5月19日（1754年7月9日）〜文政5年3月22日（1822年5月13日）］; 冬康男。母家女房。後観無量院高誉怡顔〔系図纂要〕。; 天明2年12月22日（1783年1月24日）叙従三位。
正二位・権中納言。; ※系図纂要によれば、名前は宣康。

樋口　寿康: ［寛政2年3月11日（1790年4月24日）〜天保10年5月23日（1839年7月3日）］; 宜康男。母姉小路公聡女。観解脱院伝誉益謙〔系図纂要〕。; 文化13年正月28日（1816年2月25日）叙従三位。
正三位・非参議。

樋口　静康: ［天保6年3月16日（1835年4月13日）〜明治7(1874)年5月17日］; 保康朝臣男。母高倉永雅女。
夫人高倉永胤三女孝子〔現代華族譜要〕。; 慶応2年正月4日（1866年2月18日）叙従三位。
明治元年時、従三位・非参議（34才）。

高家　中条家

寛政重修諸家譜によると、「家伝に、信慶が父信孝が母は中条出羽守某が女なりしかば、信慶関東にめされしとき厳有院殿の仰せにより、外家の称を冐して中条を称す」とある。

中条家系図

信慶	（母広橋兼勝女〔寛政重修諸家譜〕。左京。	⇒
	寛永11(1634)年生。
	元禄14年9月18日（1701年10月19日）致仕。
	正徳2年4月27日（1712年6月1日）卒。
	号元松院〔寛政重修諸家譜法名日映〕。
	葬于最勝寺。室柴田筑後守康久女）

⇒	信実	信秀	信復	女子
				男子（早世）
				信義	女子
					女子
					女子
					男子（弥一郎。早世）
					女子
			女子（小出左膳英積妻。後離縁）
			女子
			男子
		男子
		女子（松平右門信辰妻。離縁後仕大奥）
		女子（三好主膳善政妻）
		女子（吉川左京経永妻）
		女子（笹本靱負佐忠省妻）
	信秀（信実嗣）
	女子（内藤筑後守信有妻）
	女子（実戸田土佐守氏豊女。筑後守信有後妻）

*1信実　初信治。信福。信澄。主税。山城守。対馬守。大和守。侍従。従四位上。左少将。母柴田康久女。延宝4(1676)年生。元文4年4月19日（1739年5月26日）卒。法名日仁。室中根左兵衛正武女。
*2信秀　実信慶二男。九十郎。右近。山城守。侍従。従５位下。元禄10(1697)年生。寛保2年9月22日（1742年10月20日）卒。法名日慧。室内藤越前守信朋女。
*3信復　初信敬。鐵三郎。兵庫。大和守。山城守。侍従。従四位上。左少将。享保12(1727)年生。室畠山下総守義紀養女。
*4信義　文之助。兵庫。河内守。侍従。従５位下。実秋月佐渡守種美八男。宝暦13(1763)年生。室大沢相模守基典女。