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台湾B級グルメの旅

初日 2日目 3日目 4日目 最終日


9月24日水曜日 晴れ


ホテル玄関




今日は丸一日台北観光できる最終日だったため、
いつもより早めに起きて8時にホテルを出た。

9月下旬だというのに朝から28℃。
予想していたことだけど、
この暑さの中、
食べ歩くのは体力がいる。

一日10キロ近く歩き回り、
お腹の中は常時満腹状態。

足にマメができてしまい、
歩くのがつらくなってきた。

ただ、唯一の救いは、
胃腸関係はほぼ問題がないということ。
これだけ暑い中で屋台料理を食べまくっていたら、
下痢にでもなりそうなもんだけど、
腹痛を起こしたのは1回のみ。
台北の衛生状況と自分の健康に感謝したくなるほどだ。

今日はまず、
台北当代芸術館横にある「四海豆漿」で朝食をとった。
ここのショウロンポーは評判らしく、
しかも55元/190円という安さ。




まだ朝食タイムの時間帯だったので、
厨房は慌ただしく、
店の前には行列ができていた。

ショウロンポーと氷豆花(冷やし豆花30元/110円)と一緒に注文。




黒蜜に煮ピーナツがのっただけのシンプルな氷豆花がでてきた。
今まで食べた有名店の豆花とは豆腐の量が違う。
これぞ豆花といった感じ。

味のほうは最高。
豆腐の味は確かにするんだけど、
惣菜臭さをまったく感じさせず、
豆乳プリンといった感じだった。
豆花の柔らかさが黒蜜とも良く合う。

そして待ちに待ったショウロンポーが蒸かされてきた。



千切り生姜に黒酢をかけて一緒にいただくと、
たっぷりの肉汁が滴り落ちてきた。
肉の臭みもなくてうまい!

ただ、皮が生っぽかったことが残念。

少しネチっとした食感があったけど、
中の餡は最高にうまかった。

肉汁万歳!

あまりの肉汁の多さに、
股間にこぼしてしまったほど。

この店は家族経営のようで、
爺さんをはじめ、親子3代がせっせと働いていた。
店自体はあまり大きくないし、
新しくはないけど、
家族で作り上げる味は最高でした。









まだ他の飲食店の開店時間までは時間があったので、
朝市を散策することに。
夜市とは違って、野菜や肉が中心になるけれど、
異国の素材を見るのはかなり楽しいものだ。

台北にはたくさんの朝市があるというけど、
今回選んだのは中正記念堂駅近くの南門市場。

駅を出ると、朝市があるような雰囲気はどこにもなく、
とりあえず朝のコーヒーを飲むことにした。

「Mr.Ogenki」という名前のコーヒースタンドを発見。
ミスターお元気って、ちょっと笑える。
オカマ系のお店の名前みたいだけど、
店員はおばさんと若い男女二人。
普通で残念。


アイスコーヒーの注文ついでに朝市の場所を店のおばさんに聞いたら、
「あっちです」
と、日本語で言われた。

日本語で返されるのはありがたいことなんだけど、
自分としてはちょっと出鼻をくじかれた感じ。
負けずに中国語で何度か返したが・・・。

「在那儿」(どこですか?)
「そこです」
「在那儿ne?」(どこですか?)
「あれです」
「那個就是ma?」(あれがそうですか?)
「そうです」
と、どっちが日本人なんだかわからない応酬。

コーヒーを受け取って、
「謝謝!」
といったら、やっぱり
「ありがと!」
と返ってきた。

これで、俺の中国語はモロ日本人式の発音だということが立証された。
立証されなくともわかってるんだけど・・・。
大人気ないな自分・・・。
おばさんは日本人旅行客のために一生懸命サービスしただろうに。


ミスターお元気のアイスコーヒー(55元/190円)











南門市場はコーヒースタンドの交差点を挟んで向かい側にあった。
予想していた青空市場ではなく、
屋内式のマーケットだったのが残念だったけど、
野菜や肉などの素材から、
うまそうな中華惣菜、
乾物まで、品揃えは豊富だった。



そのままかぶりつきたくなるような南国フルーツがてんこ盛り。





野菜はほぼ日本と変わりない品揃え。





魚介類は新鮮そのもので、巨大鯉が売られているのが特徴。





惣菜コーナーは、ありとあらゆるうまそうなものが揃っていて、
まるで天国。





本当に買って食べたかったけど、
おいしさは想像できたので、
見るだけにしておいた。
食事配分をきっちり管理しておかないと、
いざという時に腹に何も入らなくなるから。





安い!というほどでもなかったけど、
台北に住んでたらきっと全種類を制覇するだろうな・・・と、
いらない想像。






おいしそうなものを目視するだけで通り過ぎるのはつらかったけど、
またMRTに乗り、台湾大学へと向かった。

学生街には安くておいしいB級グルメが揃っているだろうという予想と、
台湾の芸能人お薦めの店情報を頼りに行動しようという計画だ。

公館駅を降りると、
すぐ近くには台湾大学があり、
ガリ勉系の兄ちゃん姉ちゃんが多く見られた。




台湾大学正門付近





まず先に選んだ店は「台一牛[女乃]大王」。
ここはカキ氷の店で、
開業50年という老舗。




学生の溜まり場になっているということだったので、
授業をサボってかき氷でも食ってる学生がいるんだろうな、
と思ったら、客は俺一人。

甘味を一人で食ってる現場を見られなくてすむから、
それはそれでよかったんだけど、
店の中でひとりかき氷を食うのも注目度があがってしまうので、
テンションが下がった。


イチゴがたくさんのった草苺牛乳氷がうまそうだったけど、
あんまり派手なのであきらめた。
ほんとにこういう時は困る。
男一人でも気兼ねなく食べられる甘味はこの世にないのだろうか?


結局、カウンターで「布丁牛[女乃]氷」(プリンミルクカキ氷)を注文。




布丁牛[女乃]氷 55元/190円



でた!
小さめのプリンが3つ、カキ氷の上に乗っかっていて、
プリン好きにはたまらない一品。

きめの細かい氷には、
カスタード系のシロップがかかっていて濃厚な味。
プリンはカスタードパウダーを溶かしてゼラチンで固めた感じで、
カラメルも苦味も甘みもないさっぱり系。

あまりの大きさに完食する自信がなかったけど、
おかわりしたくなる程のうまさ。
テーブルにはここを紹介した日本の雑誌の切抜きがあって、
本当にもう一杯いくところだった。



雪花氷もいいけど、
カキ氷もやっぱりいいと思える店でした。





店内には開業当時の物と思われるレトロな写真が。
冬にはお汁粉系の温かいメニューが人気の模様。










シンプルなカキ氷は40元/140円ぐらいから。
デラックスなものでも500円前後で食べられます。








カキ氷で腹が満たされた後、
大学の前の銀行で日本円を両替。
銀行に入ると2階に案内されたのだが、
これほどのゆるい銀行は初めてだった。

階段を上がると客はおらず、
仕事をしている人はいない感じ。
みんなおしゃべりに熱中しているよう。

「両替したいんですが」
と言うと、松野明美風の行員が応対してくれた。
15000円を渡すと、
「うわ〜、これもって私日本に逃げる!止めないで!」
なんて上司に冗談を言ってはしゃいでいた。

その上司、
俺よりちょっと年上くらいのやつなんだけど、
どう見ても偽。
さっき俺が入ってきたときはカウンターの椅子にふんぞり返っておしゃべりしてたのに、
いつの間に頭取席(らしいところ)ににこやかに座っていた。
しかも髪を即効でセットし直したみたい(笑)

楽しい銀行であったが、
言うまでもなく、しっかりと金額を確認してから銀行を後にした。


リーマンショックの影響で少し円高になったみたい。












腹をガッポンガッポン鳴らしながら、
今度は割包(台湾式ハンバーガー)の店へ。
細い路地を入っていくと、店頭で割包が売られていた。




藍家割包

看板には赤身の多いものと
脂身が大目のものが書いてあったが、
何もいわずにただ「ひとつ頂戴」と言うと、
お姉さんが生地に豚の角煮や
漬物、ピーナツ、香菜を手早くつめてくれた。




藍家割包40元/140円

今まで食べたことのある割包と違って、
生地の下の部分がしゃくれているので具がたくさん詰まっている。
まずは隣にある牛肉面の店に持ち込んで食べることにした。







藍家の隣には金鶏園という牛肉麺で評判の店があった。
まずは麻辣牛肉麺と、
蟹黄蒸餃を注文。



麻辣牛肉麺 90元/320円

スープは香辛料が効いたオーソドックスな麻辣味。
牛の煮込みがごろごろと入っていて結構なボリュームだった。
麺は乾麺を使っているらしく、
やわらかく煮込んでいて台湾人好みの食感。



牛肉麺、食べかけですみません


しばらくして蟹黄蒸餃(60元/210円)が湯気を上げてやってきた。
葉型に包んだ餃子は結構なボリュームで、
一口ほおばると、蟹味噌の香りが口の中に広がった。
皮も薄いながらにコシがあって、
餡も濃厚で肉汁たっぷり。






店の玄関横では注文を受けてから餃子などの麺点を作っているから、
出来たてそのもの。

店の中では日本人のお姉さん2人がツチノコ型のものを食べていたけど、
何だったのかは謎。
話の内容からすると、雑誌で紹介されていたらしい。


隣の店で買ったしゃくれ割包は、
生地がムースのようにきめ細かくふわふわだった。
具もたっぷりでかなりのボリューム。
このしゃくれ型の生地はいいアイデアだな。

前歯の裏に生地がねっとりと引っ付くのが苦手なのだが、
このふわふわの生地は、
今まで食べた中で最高の食感だった。









満腹になったところでお決まりの甘味系。
次の店へと向かった。




芒果豆花 50元/180円

この店は雑誌に紹介されていたところではないけど、
台湾に来てからというもの、豆花にはまってしまい、
店があるとついつい入ってしまう。

ここのは完熟を少し通り越したようなマンゴーがかかっており、
見た目はあまりよくはないけど、
味のほうはなかなか。





豆花を完食し、
腹のほうはもう限界を超えた。

豆花の店を出る頃には
背筋を伸ばして歩けないほどになっていた。
少し腰をひねったらきっとどこかの膜が破裂しそうな気配。

情けない・・・。
食べすぎで腰を曲げて歩くだなんて。
自分でもあきれた。

しかも、腰も痛くなってきた。
内臓の重みに背骨が耐えられなくなってきたのか、
五臓六腑が悲鳴を上げているのかはわからなかったが、

とりあえずギブアップ。

食べ歩きは一時中断して、
観光することにした。



またまた中正記念堂駅へ。

台湾では最近の歴史の見直しによって、
通りの名前などが変更されてるみたいだが、
この駅も蒋介石(中正)の名前が近いうちに抹消されるらしい。

個人的には疑問を感じる。
どこの国でもありそうなことだけど、
名前を変えたからってどうなるんだろう?
歴史の汚点として考えるんだったら、
抹消するより教訓として残すべきだと思うんだけど。





歴史的観点から見れば、
蒋介石の評価はがた落ちみたいだけど、
やっぱり他のMRT駅と比べると、
豪華さを感じる雰囲気に作られてた。






そして、記念堂到着。

大して大きくないな・・・
なんて思いながら近づくと、
人間がやけに小さくみえた。

なんだ?
このトリックは!
と思えるほどの巨大な門。



ひとつのパーツが大きい分、
小さく見えてしまうらしい。


巨大な門(左側に人が立っています)


門をくぐって先へ進むと、
行けども行けども記念堂へは到着できず、
きついのなんの。
相変わらず腰を曲げての歩行から抜け出せず、
しかも、石畳からの照り返しが強くて、
スポットライトを当てられてるよう。

かまくらに似た記念堂は思ったよりも遠く、
近づくにつれてその大きさに圧倒されるものだった。




この自由広場は北京の人民広場の面積に匹敵するのでは?
植栽部分を含めると、かなりの広さ。

遠くから見ると、
本当にかまくらのように、
中でちゃんちゃんこを着た子供たちが
コタツに当たってるような
かわいらしい雰囲気だったのだが、
入り口だけでもビルの4階分ぐらいはあったのでは。





建物の中はがらんとしていて、
中にある蒋介石の像もかなりの大きさ。
民主、理論、科学の3つが、
蒋介石の政治目標だったらしい。

というか、
入り口が大きすぎて、
暴風雨の時なんかはどうするんだろう・・・。
と、そっちのほうが気になった。




建物の土台の部分は蒋介石の記念館になっていて、
当時の写真や、
愛用の品などが展示されていた。

蒋介石は中国全土を治める寸前までいったことのある男。
共産党との内戦に敗れてしまい、
台湾に一時的に逃げてきたのだが、
大陸に戻ることはなかった。

奥さんは有名な宋姉妹の一人で、姉は孫文夫人でもある。
お家自体は中国大陸を背負って立つにふさわしい男だ。
もし、蒋介石の国民党が中国を今でも治めていたとしたら、
世界はまったく違う様相を呈していたことだろう。
ある意味世界のキーマンだった人物だ。





彼は日本の名優笠智衆に似たかわいらしい所がある。
若い時は小柄なイケメン系らしく、
ちょっと国の指導者としては珍しいタイプだ。

嫁の宋美齢は、顔が大きく、エラが張り、鋭い目をした
いかにも人を引っ張っていくタイプ。
きっと、蒋介石は尻に敷かれてたのでは・・・。


変な想像をしながら、
記念堂を見てまわった。
旅の予定には入っていなかった施設ではあるが、
来てよかった。
いくら食い歩きとはいえ、
その国の基本的な部分を少しでも知ってたほうが、
味に深みも感じられるというものだ。








しかし、またこの広い広場を縦断して戻らなければと思ったら、
めまいがした。






しばらく歩くと、
軍隊の行進に出くわした。




歩き方からするとあまり洗練されていなく、
入隊したての新入生と思われた。

記念堂の前まで行き、
銃剣のカバーを取って柔軟体操をしていた。




そうこうしているうちに音楽隊の登場。




何組もの軍隊が広場に入ってきたけど、
行進の全体練習があるらしかった。



・・・30分経過。



待機時間が長すぎ。
この炎天下の中、
いつ行進が見られるかずっと待っていたのだが、
準備体操や、黙って立ってるだけで、
時間が過ぎていった。


のども渇いてきたので、
駅近くでジュースを購入。





ポカリやコカコーラなど、
一般的なものもあるが、
アスパラジュースやピーナツ牛乳など、
台湾的なものがたくさんある。
ほんとに豊富で目移りしてしまうほど。
(1本20元/70円ほど)


その中から選んだのが、
「生活 バブル緑茶」

緑茶に炭酸を混ぜたものと思いきや、
フルーティーな少し甘いお茶だった。

これが大当たりで、
例えていうなら、
炭酸の抜けたマウンテンデューを緑茶で割った感じ。
でも、原材料は緑茶と砂糖のみだった。





80年代っぽいデザインもまたいい。




道路に面した建物(劇場)の前でジュースを飲みながらまったりとしてたら、
地面から水が湧き出てきた。



1時間毎に音楽にあわせて水が吹き出てくるらしい。
涼しげな風景であるが、
知らないで地面に座ってたら大変なことになるかも。
きっと、パンツを濡らした人が大勢いることだろう。
(いないか・・・)

と、その時、軍隊の行進が始まったようで、
鼓笛隊の合奏が聞こえてきた。

重い足を引きずって小走りで広場に戻ったんだけど、
もう少しのところで演奏停止。






俺の行動を予測したかのような演奏停止。

ついてないなと思いつつ、軍隊の行進はきっぱりとあきらめて、
猫空へ向かうことにした。






猫空線は他のMRTの車両と違って無人走行式になっていた。
ゆりかもめと同じようなつくりで、
前方の景色もよく見える。










ビルの間から101もよくみえた。








ちょっとガキっぽいと思いながらも、
さりげなく前に移動。

いくつになってもこういう乗り物は楽しいものです。









猫空駅に到着し、
歩いてロープウェー駅に向かう。

駅と駅の間は300メートルぐらいあるのだが、
その間には観光客を見込んで作られたお食事・お土産コーナーや、
ゲームセンター、ちょっとした遊園地らしきものがあった。

が、

すでに閑古鳥が鳴いていて、
ちょっとした遺跡的な商店街になっていた。
諸行無常・・・。




ロープウェー駅に着くと、
スキー場のような光景が。
悠遊カードが使えたので、いちいち切符を買う手間が省けた。












8人乗りのゴンドラが次々と山頂目指して飛び立ってゆく。






列に並んでいると、
1人で来てるらしい客は俺一人。
8人乗りの狭い空間に、
どのような組み合わせになるかドキドキしながら待っていたが、
学生風の若者たち4人と、
俺と同い年ぐらいのカップルと同席になった。




ゴンドラの中は歓声と学生たちの冗談交じりのおしゃべりで大賑わい。







すばらしい景色に見とれていたら、
みんなの目線が俺に集中していることに気づく。
とっさに股間に染み付いたショウロンポーの肉汁のシミをカバンで隠してしまったが、
俺にカメラを撮ってほしかったみたい。

何がなんだか分からなくて無視する形になってしまったけど、
気付かないでごめんね。

そんなこんなで中国語で話しかける機会を逃してしまった。
触れ合えるいい機会だったのに。



山々を越えていくにつれ、
台北の町が見えてきた。
その中でも101はひときわ目だって見える。











ゴンドラは順調に進んでいたが、
強風であおられることもしばしば。

「揺れるとみんな静かになるね」
「お前怖いんだろう?」
「見なさいよ、あの老人たちは楽しそうにしゃべってるわよ」
「そりゃそうだよ。どうせ長くないんだから」
「ガハハ、あんた失礼ね」

なんて会話を学生たちはして盛り上がっていた。

カメラの件もあり、
分からないふりをしてたんだけど、
思わず吹き出してしまった。




俺の向かいに座ったカップルは、
俺が日本人だと知って、
日本人を語っていた。

「日本の男って、気に入らないことがあれば妻を殴るんでしょ?」
「そうらしいね」
「私絶対いやだ!そういう男!」

仁侠映画でも見たんだろうか・・・。







ここ猫空はお茶の産地らしいのだが、
日本の茶畑のようなものは見受けられなかった。
もしかしたら、
森全体がお茶の木だったのかも・・・。


いくつかの中間駅を経てから終点の猫空駅に到着。
あまり標高は高くないのだけど、
周りは緑の山々でかなり遠くまで来たような雰囲気。




乗客のほとんどは駅を出て右側にある洒落たレストランか、
近くの屋台村に入っていった。

俺はというと、
お茶の博物館らしきものがあるというので、
別のほうへ歩いていった。





途中には眺めのよさそうなところにレストランが立ち並ぶ






この野外カフェは絶好の見晴らしで残念ながら満席。






気づくと、博物館方向へ歩いているのは俺一人。






山の中腹にはお茶農家が数件見えました。




結局、博物館は閉館していて、
また戻ってくる羽目に。







でも、道の途中には小規模ながら茶畑が点在していて、
はじめてみる生の茶葉に感激。
一枚味見したかったけど、
葉っぱとはいえ、作物だからね。








ここら辺には茶葉料理を出しているレストランが何件かあるということで、
試してみることにした。

入った店の名前は「大茶壷」。
夕方という時間帯のせいかすいていて、
特等席をとることができた。







ちょっと張り出しているテーブル席があったので、
そこに陣取りひと休み。
こんなところで茶葉料理を味わえるなんて、
思いがけない幸運に感動した。





向かい側には猫空駅が見える。







やかんでお湯を沸かして、特産の鉄観音茶を飲むシステムらしい。







メニューを見ると、
ほとんどの料理に茶葉が使われているらしく、
揚げ物から和え物まで、
種類は豊富だった。


まずは涼拌過猫と、
茶葉炒飯、
茶葉炸絲瓜を注文した。


ウエーターに
「過猫ってなんですか?」
と聞くと、
「山菜の一種です」
とのこと。

猫肉ではないらしい。

「何で過猫って言うんですか?」
と食い下がったら、苦笑して
「分かりません、私たちの先祖が名付けました」
と返ってきた。

まずは現物が出てくるまで楽しみにして待つことに。



お茶は300元/1050円(急須)で、
奮発して頼んだのだけど、
そのほかに一人90元/320円かかると言われて
条件反射的に断ってしまった。

お茶の産地まで来てお茶を飲まずに帰るって・・・。
アホだなぁと思いながらも台湾ビールを追加注文。
まず、この景色を前にして
酒を飲まないほうがありえないことだ(自分としては)。














そして、過猫の正体が明らかに。


涼拌過猫

過猫は山菜の若芽の部分を湯がいて中華風のタレで和えたもの。
シダ系の植物で、ぜんまいのように少し丸まっている。
うちの田舎ではこれに似た物を「コゴミ」と呼ぶのだが、
本当に同じものか分からなかった。

タレはおなじみのしょうゆとオイスター系の味で、
飽きの来ない味。

景色に見とれながら過猫を肴にビールを飲むなんて、
なんという贅沢者なんだろうと思っていたら、
女主人と思われる人がやってきた。


「そちらの料理は過猫といいまして、
この辺では昔から食べられてる山菜なんです。
でも残念ながら名前の由来に関しては分かりません。」

さっきのウエイターから話を聞いてやってきたらしい。

「初めて食べたけどおいしいです」
というと、

「おいしいでしょ?これは私の主人が今日の朝にそこの山から
採ってきた物なんです。似たような山菜は台湾中にあるけど、
この種類のはここでしか採れないんですよ」

観音さまに似てふくよかな顔立ちの女主人は、
俺にもわかるように丁寧にゆっくりと説明してくれた。
ありがとう。






茶葉炒飯 100元/350円

次にやってきたのは炒飯。
2人分もある量で、ボリュームたっぷり。

細かい茶葉と一緒に炒められていて、
噛めば噛むほどほんのりとお茶の香りがしてくる。

薄いしょうゆ味で、ちょっと薄いかなとも思ったが、
これ以上濃くしたらお茶の香りが死んでしまうのだろう。







茶葉炸絲瓜

最後に来たのが絲瓜の揚げ物。
衣に茶葉が練りこんであって、
お茶の香りのするサクサクした衣の中には、
とろりとした絲瓜が入っている。
うまかった。

花椒塩をつけていただいた。









食べていると、
日が落ちてだんだん暗くなってくるとともに、
台北の夜景が広がってきた。




近くのレストランの明かりもきれい。

料理はどれも絶品で、
食べきれないと思われた炒飯まで完食。

すっかり暗くなる前に食べ終わってしまったけど、
店も混んではいなかったので、
夜景を見物することに。









一人で鑑賞するにはもったいないくらいの絶景。
香港が100万ドルなら、
ここのは30万ぐらいだったが、
台湾一の夜景ということに意義がある。





台北の景色と猫空料理を満喫し、
レストランで丁寧なおもてなしを受け、
台北最後の夜にふさわしい時間をすごすことができた。


観音様のような女主人とウエイターの兄ちゃんにお礼を言って
店を後にした。

(450元/1580円)






この店は駅から一番遠い場所にあるからか、
客はまばらだったけど、
猫空一の穴場レストランだとおもう。





本当に幸せな気分になれた猫空。
こんないい場所が
市街地から気軽に来れる距離にあるなんて、
台北人は幸せだな・・・。




なんて思っていたら・・・。


向こうから大きな犬が俺に向かって走ってきた。
台北では野良犬が街中にも結構いるので、
この山の中にいても不思議ではないのだけど、
俺に向かってきたのが問題。



次の瞬間、
ゴールデンレトリバーがいきなり俺の太ももに抱きついてきた。
そして、腰をフリフリ。





近くでは飼い主らしい男と、野外カフェの店員が笑ってみてるんだけど、
飼い主だったら何とかしてくれ〜!

「こいつはあんたのことが好きで好きでたまらないんだよ〜アハハ〜」
なんて言って、のんきに見物してる。
俺に腰振ってるんですけど!!

叩いたりするのはかわいそうなので、
フラッシュを何度もたいてみたけど効果なし。




でも、犬とはいえ、好かれることはうれしいことだ。
なんともかわいいレトリバー。
お前が人間だったらな〜なんて考えるほど。




だんだん息遣いが荒くなってきたレトリバー。
腰の振り方もなんか切羽詰ったようになってきたし、
足にヒタヒタと湿ったものが当たってきたので、
やっぱり逃げることに。

いったん離れてはまた抱きつかれ・・・。
そんなことを繰り返してやっと離れていった。











何だったのかな〜。
あれだけ興奮してたのに諦めは早く、
木の幹をクンクンしていた。
元気でな〜!






駅近くにある屋台村。
メニューはオーソドックスなタピオカやカキ氷、おでん、麺など。





猫空駅から見えるレストラン。左が大茶壷。





名残惜しかったが、
猫空を十分に満喫して、
下界に戻ることに。


帰りのゴンドラは、
混雑していなかったせいか、
それともカップルたちへの配慮からか、
ひとつのゴンドラに1グループをあてがわれた。

ちょっとした心遣いが嬉しかった。
カップルと薄暗い密室で一緒にされるのはきついなと思ってたので、
正直大喜び。

ということで、
俺はひとり、ゆっくりと台北の夜景を満喫することができた。



実際は夜景が広がっています




でも、ひとつ疑問が。
カップルが、このようなムード満点の密室に置かれたらどうなるか・・・。




きっとそうなることだろう。




すれ違うゴンドラのほとんどにはカップルの影。
絶対そうなる・・・。
そうであってほしい・・・
(笑)




と思って見てたんだけど、
期待とは裏腹にみんな律儀に向かい合って座っていた。


少ししてから分かったんだけど、
このゴンドラにはセンサーがついていて、
少しでも動くとライトがつく仕組みになっている。
30秒ぐらい固まっていると消えてくれるんだけど、
これじゃあ、すれ違うゴンドラから丸見えである。


まあ、遊園地の観覧車じゃあるまいし、
公共の乗り物だから当たり前だけど、
少しだけカップルに同情。






猫空ロープウェーのキャラクター



約20分、ゴンドラの中から夜景を独り占めできたわけで、
心から満足できたし、
心から台北に感謝の念が沸いてきた。

台北最後の夜がこんなに最高の環境の中ですごせるとは、
思ってもいなかった。
漠然と食い倒れてる自分を思い描いていたからだ。

こういうことに幸せを感じることができる自分にも安心した。




しかし、まだまだ夜は始まったばかり。
海鮮系が多いという遼寧街夜市へ向かった。









南京東路駅に到着。

途中、駅で地図看板を見ていたら
サラリーマン風の若い男に声をかけられた。

「何かお探しですか?」

本当に俺を助けたいのか、
それともただのセールスなのか。

方向音痴に陥ってしまったために、
道を聞きたい衝動に駆られたが、
満面の笑みと言うか、すさまじいほどの営業スマイルに拒否反応を示してしまった。


「もう見つかりました!謝謝!」
と、吐き捨てるように去ってきたけど、
もしかして、本当の親切心からでは・・・と心が揺らいだ。
台北の人は観光客に親切だからな。


10分ぐらい歩くと遼寧街夜市に到着。
他の夜市とは違い、通りが広く、常設の屋台が軒を連ねていた。



50メートルぐらい続く屋台通りは、
他の夜市に比べると規模が小さいが、
独特な雰囲気をかもし出していた。

夜市というより歓楽街の雰囲気に近いかも。








さすがに海鮮が売り物名だけあって、
店頭には新鮮な魚が並んでいた。







屋台街を通り抜けると、
今度は食堂が軒を連ねていた。







でも、夜市は屋台に限る。







腹には相変わらず何も入る余地がなかったが、
赤提灯を見ると、季節にかかわらずその店に入りたくなるもので、
ちょっと寄っていくことにした。

代表的な屋台料理である担仔麺を食べずに、
日本へは帰れない。







店はヤンキー風の姉ちゃんが切り盛りしていて、
カウンターには関東煮(おでん)、お銚子まであるではないか。
それに赤提灯を加えると、
それだけでもう常連になりそう。



俺のほかにも客はたくさんいたけど、
隣には若いお母さんと、小一ぐらいの男の子が座っていた。
もう9時という遅い時間なのに、
これから夕食らしい。
お母さんは、あれも食べるか?これも食べるか?と、
子供に大サービス。

おでんの種類が分からないみたいだったので、
常連さんではないらしいけど、
子供が食べきれないほどのおでんを注文して、
自分は安い担仔麺だけを食べるという、
なんか訳ありのような母子だった。

きっと、お母さんは仕事で忙しく、
一緒に子供とご飯を食べる機会がないんだろうな。
そこで屋台で子供に好きなものを食わす・・・。


夜市の良さって、
こういう庶民的な生活も体感できるところもあると思う。







このおじさん、きっと常連です。
なぜか幸せそうに見えました。





そうこうしてるうちに、担仔麺がやってきた。
まずはスープをひとくち。
今までずっと麻辣味の麺ばかり食べていたせいか、
さっぱりとした味に感じた。
それでいて鶏がらのうまみがある。




麺は手打ちの卵麺のような、
プリプリとした食感。

そして、この担仔麺の特徴とも言える、
大きな豚団子。
スーパーボールのような強烈な弾力が印象的で、
肉感もたっぷり。

担仔麺の担仔とは、
担ぎ籠のこと。
ゆで麺とスープ、具を籠に入れた出前屋さんの麺食である。

初めて食べたけど、
そのルーツを逸脱することもなく、
そのうえ、貧素感を感じさせることもない味。
スープまで完食。



でも、できることならもう少し腹のすいてるときに食いたかった。
きっと3倍ぐらいこのおいしさを体感することができただろうに・・・。






席を立つのが惜しいくらいのいい雰囲気の屋台でした。








駅に向かう途中、のどが渇いたのでドリンクスタンドへ。



天仁茗茶前の通り

ここは老舗かどうかは分からないが、
ちょっと高級感のあるお茶屋さんである。

最後にお茶で〆ようか・・・。
と思っていたけど、
鮮搾水果緑茶(フレッシュ果汁緑茶)という、不気味な組み合わせの飲み物発見。
いつものように即効で注文。

と思ったけど、待たされた。
三十路ぐらいのお姉さんが一人でカウンターで作業してるもんだから、
客の注文に対応し切れてないのだ。

並んでる客は俺のほかにあと2人。
あわてて蓋をしないままミキサーを回したもんだから、
そこらじゅうに飛び散る液体。

それを見かねたお茶っ葉コーナーの女主人は、
ぶすくれた顔をして従業員への不満をぶつけるかのように
俺の注文したジュースを作り始めた。

おいおい・・・。
怒りの念を俺のジュースに込めるな!




鮮搾水果緑茶 90元/315円

そんなこんなで、
こんなんでましたとばかりに、
なんとも言いようのない色のジュースが出てきた。
でも、こういう変わったのは好きだ。

お味のほうは、いける味。
生オレンジジュースに緑茶の味(そのまんま)。

「あれ?うまいじゃないか!」
と言いたくなる様な、
先入観をきれいにぶち壊してくれる味だった。

ただ、ちょっとシロップが多めだったみたい。
女主人の怒りは甘みに出ていた。






夜市からの帰り道、
三十路そこそこの女性から声をかけられた。
「私はそこのビルの2階の事務所で働くものですが・・・」

駅前で声をかけてきた営業スマイルのサラリーマンと
同じバインダーのようなものを持っていたので、
今度は首を振るだけにしてあとは無視した。

せっかくご当地ジュースを味わってるのに、
勧誘なんかしてほしくない。



離れたところで観察していると、
ずんぐりむっくりとした若い女の子がどっかに連れて行かれたけど、
きっと高いものを買わされるんだろうな(?)。

やっぱり、日本に限らず、
直感で怪しいと思ったら、
ぶしつけにでも断るのが身のためだ。

当たり前だけど、
ここ台北ではついつい油断してしまいがちになるようだ。






台北駅に着いて、
しみじみとしてしまった。
明日の昼過ぎにはここを去らなければならないのだ。

初めてここに来たときは、
なんかここの空気が肌に合わないというか、
空気になじめない感覚が少しあったんだけど、
今では一体化したかのようで、
離れるのが本当に惜しい。



三越駅前店付近

夜遅く出歩いてもあまり心配のない都市って、
日本以外に台北くらいじゃないかな・・・。












夜中もブンブンと街中を走り回るミツバチ的スクーター。
さようなら。






お世話になったホテル前のセブンイレブン。
最後の晩餐は愛玉ゼリーと台湾ビールで〆。



オーソドックスなデザートなので、
いつでも食えると思っていた愛玉ゼリー。
さすがにコンビニで売っているのは独特の弾力がなくて、
ゼラチン系のデザートであったが、
また来た時に。







ここ数日、ずっと夜のテレビを見てきたけど、
報道系の番組は毎日中国のメラミン粉ミルク事件一色であった。
それほど中国と台湾は食でつながっている。
日本以上に。

粉ミルク以外は台風情報や馬総統が市民から罵倒されてるシーン(台風被害者救済が遅れているため)、
殺人事件が少し顔を出す程度の番組内容だった。

それ以外はかなりの割合で日本の番組が輸入されている。
テレビチャンピオンから始まり、
ほんとは怖い家庭の医学、
ビフォーアフター、
グルメ番組などなど、
あとは田舎に泊ろうまでもが放送される予定らしい。

台湾は日本に似て、
国外からいろんなものを取り入れるのに長けている。
番組以外にも、
音楽や映画などの娯楽文化、
洋食や和食などの食文化なども、
難なく自分のものにしている。

街中には英会話と日本語の教室が立ち並び、
それでいて自分たちのルーツである台湾語も廃れてはいない。

ただ、日本と同じく政治も経済も様々な問題を抱えている。
なんか、日本を客観的に見るとこうなるのではないか・・・。
と思うことが台北では多々あった。
ある意味不思議で新鮮で懐かしくもある国だ。


荷物もまとめたし、
あとは帰るだけだ。
ありがとう台北。













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