旅のFAQ・ミニ なんでも質問コーナー
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「足で歩くスイス」御愛読大変ありがとうございます。

これまでにお寄せいただいたスイスに関する質問や話題の中から、重箱の隅をつつくような小さいテーマ、興味中心のテーマ、そして「断言は出来ないけど大体こんなものだろう」というものを集めてみました。半分実用、半分読み物としてお楽しみ下さい
スイスの旅に関するまじめな質問・疑問に関しては旅のFAQをご覧下さい。

※このページには筆者の独断と偏見も数多く含まれますが、客観的な見地から明らかに間違い!という記述を発見した方はぜひまでお知らせ下さい!もちろん質問もお待ちしています。
おたよりはこちら
(アドレス内のDUMMYという文字を抜いてyahoo.co.jpと入れて下さい)


INDEX
観光・交通・旅程などなど
一番日本人観光客の多い所は?有名な割に日本人が少ない観光地は?初めてスイスに行く人にお勧めのベストスポットは?行ってみて、案外イマイチという所は?地元の若者曰く、ツェルマットなんてサイテー電車・バスは本当に時間通りに来ますか?氷河特急って丸々1日かけて乗るだけの価値はあるの? 氷河特急で一番景色がいいのはどの区間?サン・モリッツからどこへ行く?チューリヒ空港に夕方着、列車でグリンデルワルトまで直行は無謀?山以外に見られるようなものはありますか?山がちなスイスで車の運転は難しい?アルプスのお花畑の見頃はいつごろ? コンパートメントに乗ってみたい 指定席を取ったほうがいい区間 NEW! フランクフルトに行くときは NEW!
(旅の)日々と生活
スイスに蚊はいますか?スイスにゴキブリはいますか?重さ・長さの単位は?水道の水は本当に飲めますか?石鹸やシャンプー、洗剤が泡立たない?日本食のお店はありますか?現地在住の日本人に喜ばれるおみやげは?スイス人に喜ばれるおみやげは? スイスに蚊はいますか?に反論続出 野菜不足にならないコツ レストランへの入り方を教えてちょうだい!
お買い物とおカネ
両替のレートがいちばんいいのはどこ?日本円はどこでも両替できる?端額の小銭をどうするか?本当にコンビニがない日曜日は全部の店が休みになる?洋服や靴のサイズ安い!ワインの関税 靴の試着用が片方しかない NEW!
その他
「サース・フェー」ではなく「ザース・フェー」? 現地語のホテル予約シート英語ができなくても大丈夫?スイスで買った高山植物の種を育てる 英語の予約文面を見て下さい(付・ホテル予約例文ドイツ語版) スイスでは一重まぶたがモテる? スイスの朝日新聞はNZZかTAか NEW!
観光・交通・旅程などなど
質問1:
一番日本人観光客の多い所はどこですか
(東京都在住・Uさんほか)
答え:
統計上は違うのかもしれませんが、見た目だけで言えば確実にグリンデルワルト近辺の村々とツェルマットです。この2ヶ所は突出しています。それ以外の場所になると、往来で出会う日本人の数は大幅に減ります。
また、飛行機の便の関係だと思いますが、金曜日から日曜日にかけてチューリヒの日本人観光客がわ〜っと増えます。
質問2:
有名な割に日本人が少ない観光地はどこですか?
(東京都在住・Uさん)
答え:
うーん、絶対基準みたいなのがないのでちょっと難しい質問ですが……ベルンとサン・モリッツでしょうか?どちらももちろん日本人は見かけますが、それでも有名な割に多いとは言えないでしょうね。

ベルンはユネスコの文化遺産に登録されてから、日本の団体なども立ち寄るようになりましたが、個人で訪れる人はかなり少ないのではないかと思います。日本人観光客は「時計塔」周辺でしか見かけませんが、見どころはそこだけではありません。ぜひ1泊くらいして雰囲気も楽しみたい町です。

サン・モリッツはグリンデルワルト、ツェルマットと並ぶ超有名観光地ですが、多少不便な場所にあるのと、滞在リゾート的性格が強すぎるせいか、前者に較べ日本人はずっと少なくなります。実際、日本人によくある毎日移動型の旅では、「これぞ!」というランドマークのないサン・モリッツはつまらない場所に感じると思います(筆者としては、移動型の旅にこの町はおすすめしません)。しかし、3連泊以上する気のある方、特に山ノボラーには超おすすめエリアです。

質問3:
初めてスイスに行く人に、ずばりお勧めのベストスポットは?
(スイス在住30年以上・Gさん。おいおい)
答え:
やっぱりユングフラウヨッホ
あまりにも有名なスイスの観光の目玉で、「有名すぎるから絶対行かない/行かなかった」という人もかなりいます。
しかしそれではもったいない!なんのかんの言っても行く価値は大で、お天気に恵まれるようだったらぜひ訪れたい場所です。スイスには氷河展望台がたくさんありますが、ここの良いところは、広大な雪原(アレッチ氷河の涵養雪原)に出て思う存分遊び回れることです。レンタルスキーなんかもありますよ。

午前中に登山列車でユングフラウヨッホまで行って氷河観光、雪遊びに飽きたらクライネ・シャイデックまで戻って、アルプのお花畑をハイキングすれば「これぞスイス!」の楽しい1日になるでしょう。

参考:スイス国土地理院のP氏と筆者の同僚の会話
P氏:これからどこを見るんですか?
同僚:とりあえず今日はベルンの町を見ます
P氏:そうそう、ベルンは本当に良い町ですよ。ユングフラウなんかはもう行きました?みんな「ユングフラウ、ユングフラウ」って、あそこばかり行きたがるんですよね。他にもっといい所がたくさんあるのに。
同僚:それが、行ったことないんです。今回も行く時間がなくて
P氏:ええっ!一度は行かなきゃ!!
質問4:
行ってみて、案外イマイチという所はありましたか?
(これまたスイス在住30年以上・Gさん)
答え:
う〜む。
あくまでも個人的な感想ですが、筆者としてはチェントヴァッリ Centvalliでした。この風景、どこかにものすごく良く似ている……う〜ん、どこだっけと思ったら、
「奥三河」
わざわざスイスに来たんだったら他所を見るべきだった……と少々後悔しました。チェントヴァッリに限らず、ティチーノ州の谷はおおむね南信州や静岡の山奥と雰囲気が似通っているような気がします。街道・宿場という条件と、地形や植生のせいじゃないかな?
はじめから納得していれば、それはそれで良いところです。
質問 じゃなくて、現地の若いコたちが皆言うには
ツェルマットなんて人、人、人!(Mensch, Mensch, Mensch !)雑踏だらけでサイテー。あっち行くならやっぱサース・フェーに泊るべきだよ。
筆者が思うに:
賛成。
村のカルチャーがなかなか愉快です→
特に、若い方や純アウトドアスポーツ派の皆さんには無条件におすすめします。さしずめツェルマットが「巣鴨とげぬき地蔵」なら、サース・フェーは246沿いの遊べるスポットと言ったところ(ちと極端かな)。お客の層がかなり違うので、当然アクティビティやアミューズメントの内容も違います。

マッターホルンにこだわらなければ、自然景観もこちらの方がどーんとダイナミックです。

質問5:
電車・バスは本当に時間通りに来ますか?
(よくわからないくらい多数の方から)
答え:
鉄道はほぼ時間通りに来ます……が!

鉄道に関しては、海外から来る長距離列車に遅延がよくあります。イタリアから来る列車が遅れやすいというのはなんとなく想像がつきますが、意外や意外!ドイツからの列車が結構よく遅れるんですね。最近のドイツ国内は何事もアバウトさが目立ち、かの国の「正確神話」は残念ながら過去のものになりつつあります。

バスは、その性質上どうしても遅れが出がちです。他のバスや鉄道との乗り継ぎの時間が厳しい場合は、事前に運転手さんに言いましょう。都市部以外の路線だったら、無線などで連絡を取って都合よく計らってくれる事も多いです。

質問6:
「旅のFAQ」に >>氷河特急全区間のうち、車窓風景が良いと断言できるのはアンデルマット〜ディセンティス間です。実は、それ以外の区間はスイスとしては割合平凡な景色しか見られません<< と書いてありますが、実際問題として氷河特急って丸々1日かけて乗るだけの価値はあるんですか?ユーレイルパスも効きません
(非常に多数の方から)
答え:
うっ……!
正直に言います。筆者の個人的見解としては、移動の手段として必要上利用するならさておき、わざわざ丸1日犠牲にして全区間乗り通すほどの魅力はあまり感じません。しかし、氷河特急に関する質問や、氷河特急に乗りたい!というメールはとても多いです。マッターホルン・ゴッタルド鉄道(特に旧FO)は商売が上手です。
筆者のHPには氷河特急に言及する部分がしばしば出てきますが、ベルンを出発点にグラウビュンデン州へ行くことが多いため、たまたま乗る機会が多くなるというだけで、別に氷河特急そのものが好きなわけではないんです……実は。
質問7:
前の質問の続きです。それでは、氷河特急の一区間だけ乗ろうと思いますが、一番景色がいいのはどの区間ですか?
(これまた非常に多数の方から)
答え:
アンデルマット〜ライヒェナウ間です。
スイスリピーターのたいていの方は同意見だと思います。

(連日移動タイプの旅向けの)合理的なプランを紹介します。まず、ルツェルンまたはルガーノ方面からゲッシェネン Goschenen(oはウムラウト)まで行き、そこから小さな登山鉄道で、氷河特急の経由地・アンデルマット Andermattへ向かいます。この登山鉄道は乗車時間10分ほどですが、アプト式の正真正銘の「山岳列車」で、目の前は断崖絶壁。強烈な雰囲気に思わず期待が高まります。
アンデルマットからは氷河特急のクール Chur 行き車両に乗車、オーバーアルプ峠やライン川上流域の絶景を楽しみ、終点のクールまで行きましょう(ライヒェナウは経由地、ここでサン・モリッツ行き車両と別れます)。乗車時間は約2時間30分です。クールからはチューリヒ方面へ出られます。

前日がツェルマット泊なら、もちろんそこからクールまで乗ると良いでしょう。そして質問2でも書きましたが、連日移動タイプの旅をする方には、特に目的がある場合以外、サン・モリッツへ行くことはあまりおすすめしません。

質問8:
どうしても氷河特急を全区間乗り、サン・モリッツへ向かいたいのですが、そこから先、旅をどう展開すれば良いでしょうか?
(これも多くの方から)
答え:
イタリアへ向かってみるのもいいものです。
詳細はこちらをごらん下さい。氷河特急よりもスイスらしい山岳風景が望めるベルニナ急行の旅を楽しみましょう。イタリアへは他にもキアヴェンナ/ルガーノ経由でのバスルートなどもありますが、王道はやはりベルニナ急行です。

チロル方面、インスブルックなどへ行くのも味わい深いものがあります。
その
詳細はこちらをごらん下さい。意外に近いんです。

もちろん、そのままサン・モリッツ(エンガディン)に滞在するのもおすすめです。
これはリピーター、あるいは山ノボラー向けの選択肢です。見どころ、ハイキング/トレッキングコースの詳細はこのホームページでも沢山紹介しています。滞在にはサン・モリッツだけでなく、周辺の個性的な村々も視野に入れてみましょう(そのほうが宿泊費も安上がりです)

質問9:
日本から直行便でチューリヒ空港に夕方着、その日のうちに列車でグリンデルワルトまで行くのは無謀だと言われましたが……
(筆者の友人・M嬢)
答え:
飛行機が大幅に遅れなければ大丈夫です(あまりおすすめはしません)
飛行機が定刻に着くようだったら、夏の日没は遅いですから、まだ真っ暗にならないうちにグリンデルワルトに着きます。ただし、疲れますよ〜〜。夕方、16時〜18時台だったら、空港駅でインターラーケン・オスト行きの列車に乗れると思います。これなら乗り換え1回で済み、寝過ごしの心配もありません。

飛行機に大幅な遅れが出る場合は、日本の空港で出発前にわかると思いますので、早めにEメールやFAXなどでホテルに連絡するようにしましょう(電話の場合は相手との時差に注意)。成田空港で第2ターミナルをご利用の方だったら、出国審査後のエリアにある、Yahooが運営する無料インターネットコーナーが使えます。

※この場合、宿泊先はかならず事前に予約し、到着時間と飛行機の便名を告げておきましょう。要領が悪い人や方向オンチの人、大人数のグループはチューリヒ泊まりをおすすめします。

質問10:
グリンデルワルト/ツェルマットに数日滞在するのですが、山以外に見られるようなものはありますか?お天気の悪い日はどうしたらいいでしょう。
(多くの方から)
答え:
グリンデルワルトの場合
電車でベルンまで約1時間50分(乗り換え1回)、ルツェルンまで約2時間30分(乗り換え1回、所要時間が長いが風光明媚なルート)など、中央スイスの主な都市へ遊びに出られます。グリンデルワルト〜主要都市間は、最低1時間に1本は列車があるので気楽です。ベルンはショッピング天国ですが、定休日に注意しましょう。
また、ブリエンツ近く・バーレンベルクの野外博物館、ベルン郊外にある超おすすめ美術館「パウル・クレー・センター」など、博物館・美術館も楽々往復圏内にたくさんあります。

ツェルマットの場合
列車で3時間前後と少々時間がかかりますが、モントルーやローザンヌなどレマン湖岸の都市へ乗り換え1回で行けるので気楽です。ベルンへも同じくらいの時間で行けますが、どちらかと言えば前者がおすすめです。どちらも列車の頻度はだいたい1時間に1本です。
また、ローヌ谷沿いにあるワインセラー見物など、ちょっと洒落た楽しみ方もあります。現代美術の収集とローマ遺跡の保存で知られる、マルティニー Martigny にあるジャナッダ財団美術館などを訪れてもいいかもしれません(ここ、筆者は行ったことがないのですがどんなもんでしょう?非常に良いという噂です)。

スイスは狭い国土に交通が発達しているので、他にもいろいろな選択肢が取れます。ガイドブックなどで研究してみましょう。お天気が悪い日の対策としては、ご参考にこちらをどうぞ。山の向こうは晴れているかも知れませんよ。

質問11:
レンタカーを使って移動したいのですが、山がちなスイスでの運転はやはり難しいでしょうか?峠の閉鎖など道路情報はどうやって得るのでしょうか?
(匿名、たぶん女性)
答え:
難度についてはその人次第なので、お答えできません。
交通情報はラジオ(ただし現地語)や、道路に備え付けの情報掲示板で得られます。

在スイス30年以上になる友人(日本人・車持ち)によれば、日本も山道が多いので、スイスで困ることはあまりないだろうとの事です。しかし、結局は個人の技量次第でしょう。そして、下手クソな車を後ろから煽りまくる人はスイスにも存在します。平野しかないオランダや北ドイツのナンバーの車は、峠などで格好のいじめの対象になっていますね……
質問12:
アルプスのお花畑の見頃はいつごろですか?
(多数の方から)
答え:
花のトレッキングが目的であれば、ベストシーズンは7月上旬です
日本のおもな高山よりひと足早めです。しかし、花の咲き具合は行き先の標高、そしてその年の天候に完全に左右されます。以下はかなり大ざっぱな分け方ですが……

・標高700〜1500m ……6月上旬〜7月上旬
中央平野部の都市郊外の丘陵地や、グリンデルワルトなど比較的標高の低い村の近辺、谷あいや森林交じりの斜面の放牧地がこれに該当。キンポウゲの仲間などは5月中旬頃から既に見頃になります。

・標高1500〜2200m ……6月下旬〜7月下旬
サン・モリッツやダヴォスなどかなり高地にある村の近辺や、冬にスキー場となるような斜面。グリンデルワルト地域の多くのハイキングコースや、小型のゴンドラリフトで上がるような場所が大体これに該当。多くの人がイメージする「アルプ」はこのゾーンで、いちばん華やかなお花畑が見られます。
見頃の時期はもちろん年にもよりますが、8月ではもう遅い感じです。

・標高2200〜2700m ……7月中旬〜8月上旬
ツェルマット地域のリッフェルアルプや、サン・モリッツ地域のムオタス・ムラーユ、ムルテル、ラーゴ・ビアンコなどがこれに該当。このゾーンに咲く花はいわゆる「高山植物」です。開花はその年の残雪量や日照時間によって激しく左右され、遅い年は8月後半のたった数日間に一気にピークを迎え、終わることもあります。

・9月 見渡すかぎりの花畑、というのはなくなりますが、高地でもリンドウの仲間など一部の花は咲き続け、時に大きな群落も見られます。また、ツツジの仲間など、一部の植物の草紅葉がはじまります。

日本のガイドブックなどで「スイス最高の花のハイキングコース」などと紹介してあっても、あまり鵜呑みにしないほうが良いです。上に説明したピークの時期というのもありますし、お花畑の作柄(?)の出来・不出来は年によってかなり差があります。更に、お花畑はいわゆる「牧草畑」のことが多く、わざわざ訪れても草刈り済みでガックリ、なんて事も起こります。
まあ、数日あれば必ず素晴らしい花の風景に巡り合えますよ!

質問13:
友人と2人でスイス鉄道旅行を計画しています。コンパートメントの席に乗ってみたいのですが、寝台車ではない普通の電車でコンパートメントはありますか?そういう指定席の取り方はできますか。
(Kさん)
答え:
スイスの列車には寝台車以外コンパートメントはありません。……が、
スイス国内を通過する、いわゆる「国際列車」なら、コンパートのあるイタリアやドイツの車両もくっついており、乗ることが出来ます。指定を取るなら「コンパートメントにして下さい」と言えばOKです。
……とはいえ、コンパートメントがない編成の列車もあると思いますので、詳細は鉄道旅行マニア掲示板、あるいは直接SBBにでも問い合わせてみて下さい。実は最近はどの国もコンパートメントの車両は不人気で減少傾向。狭苦しいし、夜ともなると結構物騒なんですよ。
筆者の知る中で確実にコンパートがあるのはドイツの「ICE」。スイス国内区間だけを乗るなら、他の列車同様普通の切符・パス類だけで乗れ、特急料金はいりません。スイス国内はたいていガラ空きで走っていますから、指定を取る必要もないと思います。
質問じゃなくておすすめ:
できれば列車の指定席を取ったほうがいい区間は……
(筆者)
答え:
ドイツからスイス方面へ列車で向かう方、フランクフルト(空港駅ではなく中央駅)〜バーゼルの線を経由するICEは季節を問わず大変混雑します。一番混むのはフランクフルト中央駅〜マンハイム間。時間帯によってはビジネス客で「ここは日本か?」みたいな混雑風景が展開し、大荷物の旅行者が入り込むのは結構大変です。ICEを使ってフランクフルト中央駅からスイス方面に向かう場合、早めに指定席を取るようおすすめします。

ドイツでは日本同様「特急券/料金」と「指定券/料金」は別なので注意しましょう(キップそのものは1枚になっていたり、複数だったりいろいろ……)。駅員さんが忙しいときなど、うっかりどちらか片方だけが発行され、こちらで気がついてちょっとちょっと、なんて事が割とよくあります。質問5でも書きましたが、ドイツって案外アバウト。
ICEに関する追記:
スイスからICEでフランクフルトに向かうときには……
(筆者)
今度は逆に、スイス(バーゼル)からフランクフルトに向かう時。こちらは少人数だったら特に指定はいらないと思います。ICEはバーゼルを出てからもしばらくは空いているのが普通です。着席前に、自分の乗車区間に誰かの指定が入っていないかだけ確認しましょう。

スイスから乗車する際には注意点がひとつ。乗ろうとする列車が……

・フランクフルト空港(長距離列車駅):Frankfurt (M) Flughafen Fernbf.
・フランクフルト中央駅:Frankfurt (Main) HBf

このどちらを経由するのか、きちんと確認しましょう。ICEのほとんどは、2つの駅のうち片方しか停車しません。そして、フランクフルト空港から中央駅への移動は結構面倒です。目的外の列車に乗ってしまった場合は、マンハイムで乗り換えましょう。

(現地のオジチャンオバチャンも結構間違えるらしく、そのへんは車掌さんがしっかり気を遣ってくれます。筆者もやっちまったい。マンハイムからがこれまた混むんだ……)

(旅の)日々と生活
質問1:
スイスに蚊はいますか?
(筆者の友人・M嬢ほか多数)
答え:
います。
が、日本ほどではありません。普通の日本人のスイス旅行パターンだったら、1〜2週間の滞在で、運が悪ければ1〜2ヶ所刺されるか、刺されないかという程度です。チューリヒなどの都市部では、たまにホテルの部屋に蚊が1匹ブ〜ン、なんていう事もあります。グリンデルワルトやツェルマットのような山間部では、ほとんど蚊は出没しません。夏のスイス旅行中、1度も蚊を見なかったという人も多いのではないでしょうか。
どうしても気になるようでしたら、携帯用虫よけスプレーは現地のスーパーで購入できます。

> これに関して……
質問2:
スイスにゴキブリはいますか?
(筆者の同僚)
答え:
います。
以前「ゴキブリホイホイ」は、スイス人の友人たちへの格好のウケ狙い系お土産でした。最近は類似のものがあちらでも売られています。日本の「ホイホイ」の方が遊びゴコロに富んでいると思いますけど。
どうでもいいことですが、千葉の田舎にある拙宅では以前「ホイホイ」に野ネズミが引っ掛かりました(ひい〜〜〜っ!)

※ハエさんに関して知りたい方はこちらをお読み下さい。

質問3:
重さ・長さの単位はなんですか?
(かなり多数の方)
答え:
グラム・メートル法で、日本とまったく同じです。
食料品店では500gごとの単位にプント(ポンド)を使うこともよくあります。「さくらんぼ1プントお願い」という感じです。
質問4:
水道の水は本当に飲めますか(筆者の母)
ヨーロッパの水道水はカルキが多くて危険、と聞きましたが……(住所不明・Yさん)
答え:
基本的に飲めます。
場所によっては水に含まれる石灰分や鉄などのミネラルが多すぎ、ベンピが直ったりお腹を壊すこともありますが、スイスの水道水はたいてい美味しい水です。そして、
多いのはカルキではなくカルクです。
カルク Kalk、つまり石灰分のことです。塩素のカルキとは違います。石灰分が多すぎる水を毎日何十年間も飲用すると、たしかに健康障害を引き起こすそうですが、とりあえず旅行者レベルでは問題ありません。

ヨーロッパ人は絶対に水道水を飲まないという「伝説」がありますが、その土地の水質や個人の文化によりけりです。ウィーンやミュンヘンは、水道水が美味しいことが自慢のひとつになっています。スイスでも、水道水を飲んだり、お客用に(格好つけて)ミネラルウォーターを買ってみたり、あるいは絶対ミネラルウォーター主義など、人それぞれです。

質問5:
石鹸やシャンプー、洗剤が泡立たないというのは本当ですか
(神奈川県在住・Tさん)
答え:
場所によりますが、泡立たないことが多いです。
日本から持っていった物はダメですが、現地で買ったり貰ったりした物はまあまあ大丈夫のように思えます。手洗い洗濯には洗剤より石鹸の方が圧倒的に有効です。
質問6:
日本食のお店はありますか?
(福岡県在住・Aさんほか)
答え:
大都市ならあります。
最近のブームで日本食を扱う店はかなり増えました。ただし、まともな日本食の店というのはごくわずか、スイス全土でも片手で数えられる程度です。
高いおカネを出してハンパな日本食を食べるなら、むしろ中華料理の方がおすすめです。都市の中心街にあるような一流店でも日本食より安上がり、特にお子さん連れの方は、スープ麺の存在にお子さんが大喜びします。ただし!お店に入る前にちょっと中をのぞいて見て、ちゃんと華人経営・調理の店か確認しましょう。ヨーロッパ人が調理する中華料理店の中には、アジア人にとって想像を絶するものがあります。
質問7:
現地在住の日本人に喜ばれるおみやげは何ですか
(住所不明・Iさんほか)
答え:
これは人それぞれです。
遠慮のない間柄の方でしたら、欲しいものを聞いてしまいましょう。
10年以上の長期滞在者に限って言えば、贈答用日本食の王道・海苔や高級佃煮類、和菓子のようなものはそれほど喜ばれないようで、そのテの食品が日本人社会でたらい回しされている現場によく遭遇します。

ただし、同じ日本食でも生そば・生うどん、レンコンや里芋のような和野菜(本当は無許可持ち込み禁止だと思う)などなど、ベーシックでなおかつスイスでは手に入りにくい食材はかなり喜ばれます。

Amazonなどで本の取り寄せが簡単になった時代でも、やっぱり日本の新刊本・雑誌は喜ばれるようです。仮に自分が読まないようなものでも、貸し借りできて良いという話をよく聞きます。ただ、非常に人気の高い作家(村上春樹など)の本や超ベストセラーは、所有率が高いので避けましょう。

日本から後日贈り物をするときの注意:
スイスでは、100スイスフラン相当(2005年冬で約9200円)以上の「プレゼント」にはすべて関税がかかります。
デパートやインターネット上の店舗などで贈り物を購入したときに、海外発送の手続きまで頼んでしまうと、作成される通関用の書類に金額がバッチリ記入され、それに対して課税されます。「贈り物なので値段は書かないで下さい」と頼むことは(建前上は)できません
関税は貰った人が支払うことにな
りますので、相手に迷惑がかからないようご注意下さい。

100スイスフラン以上の物品のスイスへの発送は、郵便にしろ国際宅急便にしろ自分で行いましょう。贈り物の重量が2kg以内でしたら、郵便の「小型包装物」が適用になり、書類も略式になるので金額を書く必要はありません。それより重いものでも、書類の作成は「ゆうパック」に毛が生えた程度のもので非常に簡単です。内容物の金額欄には100フラン未満相当の、プレゼントとして当たり障りのない金額を記入しましょう。これまでの経験では、見るからに高額そうなものでなければ「\0」で構わないようです。

質問8:
スイス人に喜ばれるおみやげは何ですか
(世間話で)
答え:
これまた人それぞれです。
遠慮のない間柄の方でしたら、欲しいものを聞いてしまいましょう。
派手派手の和風アイテム、特に日本人形、置物などは普通のスイス人にはあまり喜ばれません。
漆塗りのシックな小皿など、あちらの調度と合わせても違和感のないようなものは割合人気があります。ただし安物はバレますからご注意を(スイスでも素晴らしい和アイテムが売られているので、皆さん価値はわかります)。

若いモンどうしでのおバカ土産で人気があるのは

・「きのこの山」(平々凡々たるチョコ菓子ですが、なぜかとても人気があります)
・「ゴキブリホイホイ」(ただし最近は類似のものがスイスにもあります。コミカルなデザインの面白みがわかる人には、今でも良いおみやげです)
・薄焼きせんべい類(特に最近の若者に多いベジタリアンにはとても喜ばれます。海苔などの黒い海藻類、それに砂糖醤油の甘い味が苦手な人が多いので、それだけ避けましょう)
・手帳・ダイアリー(日本語率の高いデザインを選びましょう)
・こいのぼり(大から小まで。スイス人は「吹き流し」が好きなようで、ちょっとした大きさのあるものは真面目なお土産として案外喜ばれます)

そして!これを持っていくと蛇蝎のように嫌われるのは
・「いかくん」など海産物珍味

……です。

質問…ではなくお叱り:
「スイスに蚊はいますか?」に、スイスには蚊はほとんどいないと書いてあります。しかし私はずいぶん刺されましたが……
(イギリス在住・Nさんほか多数)
答え:
普通の日本人がスイス旅行で行くような山間部の観光地にはいない……という意味だったんですが〜〜〜
言葉が足りず申し訳ありませんでした。
ミッテルラントやティチーノ州のような気温の高い地域の水辺、特に水が滞留する沼地のほとりなんかはやっぱり蚊が出没します。しかも日本のヤブ蚊よりも不気味に体格が良く、かなり手強い奴も。この種類の蚊やブヨに慣れない日本人は、刺されると大きく腫れたりすることもあります。
しかし、そんな所って大体スーパーリピーターか現地在住の方しか行かないでしょ、ねっ?ねっ??
※ちなみにこの内容でメールを下さった方は、全員スイス在住経験のある方でした(言い訳) 
質問9:
以前ツアーでスイスに行ったことがあるのですが、慣れぬ食事、特に野菜不足で困りました。次回に向けた対策を伝授していただければ……
(Mさんほか多数)
答え:
ツアーなら「粉末青汁のもと」持参??
フリーで行くなら、野菜不足の心配はありません。
ツアーの食事時、コンダクターの方にお願いしてサラダを別注して貰えないかどうか尋ねてみましょう(筆者が以前参加した某ツアーでは……行き先はスイスではなかったのですが……コンダクターさんの方から提案して下さいました)。
それから、「粉末青汁のもと」を持参するという話もよく聞きますね。

フリーで行くなら、好きなものを食べられますから野菜不足の心配はありません。レストランでは「グリーンサラダ」「ミックスサラダ」など、好きなサラダを注文すればよいでしょう。これで前菜代わりにもなります。スイスのレストランは、サラダをえげつないくらい大盛りにする店が多いですから、頑張ってモリモリ食べて下さい。また、「今日の定食(メニュー)」で定められた前菜は、店の人に頼めばサラダに変えてもらえます。日本のレストランではこういう変更を嫌がる所が多いのですが、こちらではその心配はまずありません。

店や市場で野菜を調達するのも楽しいものです。たいてい1コ単位で買えます。筆者の知人には、ミニマヨネーズを日本から持参し、珍しい野菜や、日本では高級品扱いの野菜に片っ端から挑戦している人がいます。ミグロ、コープなどのスーパーでは調理済み・ドレッシングつきのサラダパック(これまた大盛り)を置く所が増えました。これはツアーの人でも重宝すると思います。
質問10:
レストランへの入り方を教えてちょうだい!!!
(身内からの質問では最多かも…)
答え:
筆者の親類や友人はみんな成田空港の至近距離に住んでいるせいか、海外旅行に熱心です。そして彼らから、「個人旅行のときにレストランに入るのが気詰まりで、結局毎日マクドナルドで済ませるハメになってしまった……」なんて話をあまりにもよく聞きます。生真面目な人ほど妙に難しく考えてしまうみたいですね。

しかし心配ご無用。ヨーロッパ人同士でも、他の国ではお作法が全然違っていて失敗した〜〜〜、なんて話をしています。言葉がわかる・わからないと言うよりは、単なる慣れの問題なんです。

では、スイスのカジュアルなレストランでの食事という前提で、最初から最後までの段取りをマンガでおさらいしてみましょう。(筆者は高級店に縁がないので、それについては語れません)
こちらの特集ページをご覧下さい

お買い物とおカネ
質問1:
両替のレートがいちばんいいのはどこでしょうね?
(世間話での話題)
答え:
正直言ってよくわかりません。
筆者は選択肢があまりない田舎に行くことが多いので、いつも出たとこ勝負なんです。ただ、日本であらかじめ両替して行くより、スイス現地で両替したほうがずっとレートは良いとだけ断言しておきます。しかも幸いなことに「駅・空港はレートが悪い」は、スイスの場合それほど当てはまりません。
市中の銀行で要注意なのは、一見レートが良さそうでも、その銀行に口座を持っていないと手数料(結構高い!)を取る所があるということでしょうか。

日本の大手都市銀行は「国際キャッシュカード」なんていう便利なものをやっています。外国の主要銀行のATMで、日本の自分の口座から直接、現地通貨でおカネが引き出せるんですね。引き出し手数料が1回210円かかりますが、なにより無数にあるATMが使えるというのは、ことドサ回り中には異常に便利です。レートはクレジットカード並み、しかもクレジットカードのキャッシングと違い「借金」ではありませんから、当然返済利子はつきません。
ただ、ひとつだけ心配があります。海外でいわゆるスキミングのような犯罪に遭ったら、被害額は保証されるのかどうか……。あちらでもそのテの犯罪は存在しますので、口座には必要最低限の額だけ入れておいた方がいいかもしれません。

質問2
日本円は本当にどこでも両替できますか?
(住所不明・Hさん)
答え:
日本人があまり行かない所では通用しません。
実は1990年代はスイス中だいたいどこでも日本円が両替できたのですが、ここ数年、日本人があまり行かないような所ではダメなことが多くなりました。場所によっては、以前はできたのに現在はダメ、という逆行現象も起きています。偽札の横行などが関連しているのかもしれませんね。
意外かもしれませんが、スイスはクレジットカードが使えない店・宿が案外多いですから、現金の残り具合には注意しましょう。
質問3:
日本人は、例えば920円の商品を買うときに、レジで1020円出して100円玉1枚でお釣りを貰うなんていうことをよくしますが、外国の人でもそういうことはしますか?
(ラジオのDJがそんなこと言っていたんで、勝手に答えます)
答え:
スイスではそういうことをします。
逆に、レジの人から端数のコインを持っていないか聞かれることもあります。日本人だけが特別計算能力が高いわけではありません。
質問4:
スイスって本当にコンビニがないんですね……
(千葉県在住・MKさん)
答え:
2005年現在、ありません。
24時間営業ではありませんが、大都市主要駅のキオスクが多少コンビニ的な役割を果たしており、土日も開いています。

話はちょっと変わりますが、以前は見かけなかったマツキヨ風(?)のドラッグストアが、ここ数年で散見されるようになってきました。なかなか面白い健康グッズなども見つかり、一見の価値はあります。

質問5:
日曜日は全部の店が休みになるというのは本当ですか
(千葉県在住・Kさんほか)
答え:
一部飲食店、主要駅の売店を除いてはおおむね休みです。
おもな観光地にある土産物店や飲食店は日曜でも開いていることが多いので、ご安心を。
日曜日だけでなく、特定の曜日に半日、あるいは終日商店が休みになるような町もあります。例えばベルンは月曜日の午前中も休みになります(全国チェーンの大規模店などを除く)。
追記(2005.10):
スイスでは2005年11月27日、国内主要駅・空港のすべての商店が日曜日に営業できるよう、労働法を改定するか否かを問う国民投票が行われます。現在、駅には賛成キャンペーンの一環と思われる「毎日ウエルカム」「新しい労働法、Ja(Yes)」などというコピーの広告アイテムが充満しています。
しかし一方で、これが蟻の一穴となって労働環境の悪化に繋がっていくのではないかという慎重論もよく聞かれます。

さてさて、一体どういう結果になるでしょうか。

更に追記(2005.11.
28)
国民投票の結果、賛成票50.6%の僅差で労働法改正と相成りました
……が、結局未だにどうするか揉めているそうです(2006.1)

質問6:
洋服や靴のサイズの単位は日本と同じですか?また、日本人に合うサイズはありますか?
(千葉県在住のNさん)
答え:
サイズの単位は洋服・靴とも日本と違います。
たいていの旅行ガイドブックに換算表が出ていますので、参照して下さい。

スイスだったら、日本人に合うサイズの服はたくさんあります。
(以下は婦人物の情報です)
多民族国家・スイスは小柄な人も多く、身長155センチ以上の方なら洋服のサイズで困ることはあまりないと思います。また、靴は日本で言うところの24〜25センチ(スイスなら38〜40くらい)が最も品数豊富で、足が大きめの方は幸せな気分になれます。
日本同様、同じ数字でもメーカーによって実サイズにかなり違いがあります。特に洋服は数字より見た目で判断した方がいいでしょう。一般に、年輩の方向けの服は同じ号数でもかなり大きめに出来ています。
「この店は大きな服ばかりね〜」なんていう所は、たいていオバチャン向けのお店です。

重要:肩や袖刳りの裁断の関係で、スイスやヨーロッパ諸国(北欧を除く)の服は見た目がスリムに見えるものが多いんです☆ふふふははは

質問 じゃなくて豆知識
おいしいスイスワインをお土産に買いましょう。関税がとても安いんです。
(千葉市のHさんからのご提案)
コメント:
帰国時、税関での手続きは本当に簡単です。
よく「超過すると厄介だから」なんて言いますが、厄介事なんて何もないそうです。日本帰国時に税関の赤ランプの列に並び、「お酒○○本持っています」と申請し、その場で課税分のおカネを払うだけ。しかもビールやワインなら関税は1本につきたった100〜150円です。ブランデー類など他のお酒は結構高い関税がかかるはずですが、本欄ご提案の方によると、そっちは買ったことがないので不明とのことでした。
空港の税関で、非課税の緑ランプの列はいつも大行列ですが、赤ランプの列はいつもガラガラで、通関も早く済むそうです。
質問7:
昨年スイスで靴を買おうと思ったのですが、店頭の試着用はいつも右か左片方しか置いてありません。足のサイズは左右で違いますがどうすれば。
(名無しの方)
答え:
店員さんにひと声かけて、もう片方を出してもらいましょう。
それだけです。
その他
質問1:
ドイツ語で母音を伴う"S"は「ザジズゼゾ」と発音するのではないでしょうか?「サース・フェー」ではなく「ザース・フェー」だと思いますが。
(東京都在住・Kさんほか多数)
答え:
ザジズゼゾでもサシスセソでもいいんです。
日本語に"R"と"L"の区別がないのと同じで、ドイツ語には「ザジズゼゾ」「サシスセソ」の区別がありません。多くのドイツ・スイス・オーストリア人はこの区別が聞き取れず、発音し分けるのも困難です。
ドイツ語圏スイス人は「サシスセソ」で軽く発音する場合が多く、現地音はやっぱり「サース・フェー」と聞こえます。ザース・フェーと言う人がいたら、たいていドイツ方面から来た旅行者orアルバイトさんです。

"S"の発音について意見や質問をお寄せ下さる方はほとんど男性(たぶん年輩の方)で、ちょっと興味深い現象です。高度成長を支えたニッポンのお父さんたちはやっぱり真面目なんですね。

質問2というかエピソード
新しい旅行ガイドブックシリーズに、英語ではなく、現地語のホテル予約シートをつけるというのは良いアイディアでしょ?
(J社のUさん)
答え:
それはやめましょう。
(東京の)フランス政府観光局で聞いた話です。そこでは大昔フランス語のホテル予約シートを無料で配っていました。が、ホテルから来た返事の意味がわからないと言って泣きついてくる人が後を絶たず、配付をやめたそうです。

※1990年代、とある旅行ガイドブックシリーズの企画段階で交わしたやりとりでした
質問3:
日本人の多い観光地では、ほとんど英語ができなくても大丈夫な所がありますが、スイスはどんな感じでしょう。
(住所不明・英語が話せないがスイス個人旅行!の方)
答え:
むむむ。
確かにハワイなんかでは、その気になれば日本語だけでもやって行けそうですね。スイスではさすがに日本語はほとんど通じません
うーん。
外国人を扱い慣れているスイス人は、言葉が通じなくても人の言いたいことをすぐに把握してくれることが多く、質問の方も、行けば結局なんとかなるとは思います。実際、スイスはじめヨーロッパへ行く日本人の半分くらいはそんな感じで旅しているのではないでしょうか。ただ、言葉ができないと一旦何かトラブルが発生した時にとことん苦労します。事前にある程度シュミレートして対策を立てておき、本当に困ったときは遠慮せず、信頼できそうな感じの日本人をとっつかまえて助けを求めましょう。

また、あちこちの出版社から「会話集」が出ていますが、多少難しくても内容が充実したものを持参すると、イザという時に指さして使え、非常に有効です。

質問 じゃなくて経験談
スイスでお土産に買った高山植物の種を上手く育てるコツ!!!
(筆者ほか)
答え:
「秋まき」で「用土に石灰を多めに施す」、そして「土は乾き気味」。

まず、種まき用土は肥料分の含まれない清潔な土を用意しましょう。用土には少々多めに石灰を施します。初心者は「ジフィーナイン」や「ピートバン」を用いるのが無難です。

袋の説明にはたいてい種まき時期を春と書いてありますが、日本(本州以南の平野部)だったら、多くの品種は秋まきにした方が上手くいきます。春に発芽しても、幼苗がその後の日本の高温多湿を乗り切るのは難しく、春はどちらかというと上級者向けです。
秋、関東地方だったら8月の最終週くらいから9月第3週くらいまでが種まきの最良のタイミングです。繊細そうな高山植物の種は、できれば3回ずつくらいに分け、1週間ごとに種まきしてみると失敗は少なくなります。お彼岸を過ぎると発芽率は上がりますが、今度は苗が冬の低温を越しにくくなりますのでご注意を。
高山植物の種の多くは、種まき前に1ヶ月以上種を冷蔵庫で冷やして人工的に冬を演出してやると、発芽率がグッと向上します。

育成中は水のやりすぎに気をつけましょう。用土の表面がいつも乾いている(中は湿っている)くらいがベストです。育成中の石灰(またはミネラル分)切れ、それに肥料のやり過ぎに注意し、高山植物の本来の成育環境を再現するよう努めましょう。

おまけ:
筆者個人としては、高山植物の種よりも「牧草地の花ミックス Wiesenblumen」の種をおすすめします。本州以南の平野部では秋、庭の適当な場所の土に石灰を混ぜ、そこに種をバラバラッとばら播きして薄く覆土します。発芽後はテキトーに育てるだけで、翌年5〜6月にはあなたのお庭の一画が、びっくり!スイスのまきばに大変身します。いろいろな種苗会社から同名で売り出されていますので、数種類購入して試してみると面白いですよ〜〜〜!スイスじゅうのミグロやコープなどで買えます。

質問4
ホテルを/交通機関を/イベントを予約したいのですが、(英語の)予約文はこれで大丈夫でしょうか?
(とても多くの方から)
答え:
高校時代、英語のテストで7点取った筆者に聞かない下さい。
もちろん100点満点のテストです。
……そんなことはどうでも良いですね(菅野先生お許しを)。とにかく、そのような事情でこの質問にはお答えできません。筆者は英語でホテルを予約する場合、旅行ガイドブックに出ているホテル予約の文例を参考にしています。

何考えてるのか、筆者は大人になってからドイツ語を習いました(こんな複雑怪奇な言葉に手を出すくらいなら、学校時代にちゃんと英語を勉強するべきだった)。暗い過去は忘れ、現在スイスに関する用事の大部分はドイツ語で済ませています。そこで、こんなものを披露いたしましょう。

筆者が使っているドイツ語版ホテル予約例文(特別危険物指定)
質問5
スイスでは一重まぶたの日本女性がモテるという話ですが、本当ですか?
(筆者の友人T)
答え:
そういう話は確かに聞きますが、どうなんでしょうね。
欧米人には珍しい一重まぶたは、エキゾチックという理由で珍重されるのは確かです。筆者の知るスイスの女のコの中に、少し日本人を思わせるような切れ長の細い目をしている子がいるのですが、彼女はそれを大変自慢にしています。人と違う、個性的…というのが決め手なんでしょうね。

モテるモテないは別として、髪の多い女性は素敵ということになっているようです。欧米人の標準像に較べると、日本人の髪はたっぷりとしていますが、それをうらやましがられた経験のある人は多いんじゃないかな?
質問6
NZZ(Neue Zurcher Zeitung)を「スイスの朝日新聞」と書いてありましたが(筆者注・スイスの雑記帳「スイス美男美女考」、Tages Anzeigerの方が朝日新聞のように思えます。
(Hさん スイス在住)
答え:
ご存知のように、ヨーロッパ近現代史の中で重要な役割を演じて来た新聞・NZZ。あまりにも素晴らしすぎる新聞で、筆者には見出しと軽めのカルチャー記事、天気予報くらいしか読めません。おまけにTAはほとんど読んだことがない(筆者はベルンが本拠地なので Der Bund だから)。
つまり「スイスの朝日新聞」は真面目に考えての発言ではありませんが、それなりの根拠はあります。

以前、朝日新聞東京本社のエレベーター扉内側には世界各国の代表的高級紙をレイアウトした模様がついていました。その中にはきっちりNZZも収まっていたのです。あの模様にあるのは、おそらく朝日新聞が「ウチと同列」と思っている(or 思いたい)新聞です。
つまりNZZ=スイスの朝日新聞ということです。はい。
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