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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★★ |
観光向け度 |
★★ |
交通便利度 |
★★★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道(RhB)サメダン駅
村の中心部は駅から徒歩10分くらい。サン・モリッツほどではないが、やや急な坂を登っていく |
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こんな所
サン・モリッツとポントレジナというリゾートの2大巨頭に挟まれて、ひっそりとたたずむ小さな村。だが、交通の分岐点に位置するので、トレッキング/ハイキングや観光の拠点として非常に重宝する。村のたたずまいは落ち着いていて静かだが、立地の良さからか、寂れた感じはない。特に最近は、村の周辺部に続々と増えつつある貸しシャレーの住人たち向けの商店やカフェなども充実しはじめ、ローカルな味わいをしっかり残しながらも今風に便利という、旅行者としては利用価値の高い場所になりつつある。
ここは地元では「指物師の村」として知られているそうで、スグラフィットの施された家屋の連なる集落には、白木の材に向かってコツコツと仕事する職人さんたちの工房が散見される。はじめてここに着いた時は「なんだ何もない所だな」とガッカリするかもしれないが、あなたの目が節穴でない限り、何日か滞在しているうちにいろいろと面白いものが見つかるだろう。ただ、他の町に宿泊していて、わざわざここを見に来るというほどの所ではない…と言うより、しばらく滞在しないとあまり意味のないところ。
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その他
村の大きさの割には、結構いろいろモノが揃っている。やや大きめのコープもあり、長期滞在しても何かに不自由することはあまりない。ぜいたくを言えば本屋や雑誌屋の類が欲しい所だが、田舎の大都会サン・モリッツまで電車、または郵便バスでせいぜい10〜15分なので、これもまた解決できる。
サメダンに限らずサン・モリッツ近辺の町では、宿に2泊以上連泊すると、地域の鉄道・バス、それにほとんどのケーブルカーやロープウェー、リフト類が無料になるパスを貸与される。パスのデポジット料金は5フラン。これはチェックアウトの時にパスを返却すると戻ってくる。
※サメダンのホテル・ドナーツは、ここ15年以上にわたり、筆者の個人的「スイス3大ベストホテル」のうちの1つ。ついでに併設のレストランは以前ミシュランで星がついていたこともある本格派である(残念ながら今は星なし)。
スタッフはお客を適当に放ったらかし、なおかつ必要な時には細々と気を利かせてくれる。部屋は質素だけれど清潔。とにかく不思議に快適なのである。
何日かエンガディンを観光したいが、サン・モリッツやポントレジナは俗だし高いしどうも……という方におすすめ!
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Samedan
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Samedan |
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ポスキアーヴォ Poschiavo
標高1014m |
公式サイトへ
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★ |
観光向け度 |
★ |
交通便利度 |
★ ★★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道ベルニナ線 ポスキアーヴォ駅
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こんな所
ポントレジナ駅からティラーノ行きのベルニナ急行に乗り、えっちらおっちら谷を登って下って1時間半足らず、ベルニナ峠を南に越えた谷にある町。何もかもが冷たく透き通ったエンガディンから来ると、ここは空気も風物も柔和で、すっかり「君よ知るや南の国」の気分である。町の中央広場に面して聳えるサン・ヴィットーレ教会の塔の形は、典型的な北イタリアのものだ。
ポスキアーヴォは19世紀初頭にスイス領と確定するまでは、谷続きのティラーノ地域(イタリア)の領主の支配下にあった。考えてみればここからスイスの各地方と交通するには、必ず険しい峠を越えなければいけない。それにひきかえ谷を下っていくだけのイタリアと繋がりが深くなるのは当然だろう。
有名なソーリオの村のあるブレガリア谷などに較べ、いまひとつマイナーなポスキアーヴォ谷だが、鄙びた味わいの宿場町の町並みをはじめ、旧地主の館や教会、更に郊外には湖など意外に見るものがある。ティラーノ〜ボルミオ方面へもぜひ出てみたい。エンガディンは涼しすぎると思ったら、ぜひここに滞在してみてはいかがだろうか。
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その他
ラーゴ・ビアンコ〜アルプ・グリュム Lago Bianco/Alp Gruem あたりをハイキングした時に物足りないようだったら、ぜひポスキアーヴォまで歩いて下ってみよう。急斜面にジグザグに刻まれたベルニナ線の線路を直角に突き抜け、谷底まで標高差1100mを一気に下るハイキングコースはなかなか愉快・爽快。所要時間は2〜3時間くらい。
ただしこのコースは足への負担が大きいので、ヒザの弱い人にはお勧めしない。
(途中にはRhbの駅がありリタイアも可能。電車に乗りたいときは備え付けのコールボタンで知らせ、停車してもらう)
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Poschiavo |
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Val
Poschiavo
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CH |
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★★ |
観光向け度 |
★ |
交通便利度 |
★★★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道シュクオル駅
駅から町の中心部までは町内循環バスか郵便バスで10分ほど。 |
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こんな所
シュクオルを中心とするウンターエンガディン地域は「スイス人が夏休みを過ごす、スイスの中のスイス」としばしば言われるが、スイス最東部という地理的などん詰まり感からか、日本など遠隔地からの観光客でここを訪れる人はまだまだ少ないそうだ。だが、1999年のフェライナ・トンネルの開通以来、チューリヒ側からのアクセスが容易になっただけでなく、周辺の観光地や登山口と結ぶバスの本数も増え、いつの間にか非常に使いでのある登山基地/リゾート地になった。
この一帯はスイス唯一の国立自然公園の存在でも知られるように、ハイキングやトレッキングの素晴らしいコースに恵まれている。4000m級こそないが、氷河によって厳しく削りこまれた3200m超の山々は、「歩きたい、登りたい」という人たちの欲求を充分に満たしてくれる。また、楽々高原ハイキング志向の人にも、たとえばグリンデルワルトあたりではちょっと見当たらないような、変化に富んだ面白いコースが沢山ある。花の種類はこちらの方が圧倒的に多い。
シュクオルの町そのものは古くからある温泉保養地。1日のキツい山行から戻ってきたら、町の中心部にある温泉施設「ボン・エンジャディーナ」の露天温泉で、アーベントロートの山々と、若者たち 及びジッちゃんバッちゃん の水着のおシリでものんびり眺めるのは至福のひととき。とにかく自然に寛げるような雰囲気のいい町で、近代的な利便さと伝統的な町並みやローカル色濃い風俗がうまく同居し(ロマンシュ語の使用人口のなんと多いこと!)、数多い山の町の中でも、飽きのこない点ではピカ一ではないかと思う。
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その他
完全に長期滞在型の町で、ここを基地にあちこち見て歩くには最高だが、その反面、町そのものに目立つ観光ポイントはなく、町内2ヶ所に古い集落が残っている程度。何かの途中にフラリと訪れて観光する意味はほとんどないとも言える。また、多くのホテルがツインルームしかなく、1人旅の場合は宿泊先を上手に探さないと、かなり割高についてしまう。そのかわり、ある日数以上滞在した場合や「温泉食泊パック」にしたときの割引サービスが大きい宿もあり、それでほぼ相殺となる可能性もあるので、時間があったら町の公式HPでよく研究してみよう。ホテルに直接尋ねてみてもいい。 |
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Scuol
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おスイス
おスイス
おスイス
おスイス
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Scuol |
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Scuol |
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「夢のホテル Chasa Sofia」(増補2008年1月) |
現在、筆者の個人的「スイス3大ベストホテル」第1位の座を占めているのが、シュクオルにあるミニホテル、「チャサ・ソフィーア Chasa Sofia」 。ベルンのシュヴァイツァーホフをはじめ、スイス国内の有名ホテルレストランの料理人を勤め上げてきたご主人のギロッティさんが、故郷の生家……正確にはお祖母さんの家を改装して始めた、たった6室だけのホテルだ。
ホテルは町の中心部、メインストリートから少し山側に入った旧村落の一角に位置している。シュクオルは町の中心が駅から離れているため、駅からだとバス5分、あるいは徒歩で15分程度かかるが(事前連絡でご主人による送迎あり)、温泉施設「ボン・エンジャディーナ」及びバス停まで徒歩3分、映画版「ハイジ」のロケ地にもなった可愛いラシュライナ広場まで徒歩1分。周りにはエンガディン式のスグラフィットを施した家々が立ち並び、雰囲気抜群で上々のロケーションである。
さてさてこのホテル、エンガディン式古民家の味わいを充分に残しつつも、過度の民芸調に流れないよう抑制された外装・内装が印象的だが、これはご主人夫妻の友人の建築家やアーチストがデザインを担当した。(パンフレット、ホームページも共にデザインコンセプトが統一されている)。部屋ごとに構造が違い、セパレートになっていたり、メゾネット風になっていたりと、不揃いなところがいかにも古民家を改装した家らしい。どの室内にもふんだんなリネン類、泉から汲んできた鉱泉のボトルとグラス、ウェルカムフルーツ、アロマポットなどが揃えられ、他にも使いやすい設備、きれいに手入れされた菜園とあずまやのある庭、etc... 家じゅうが細やかな心遣いに満ちている。
ご主人のギロッティさんは本職のコックを引退して以来、奥さんとともに万能コンシェルジュの役割を果たし、宿泊客のためにいろいろと尽くしてくれる。たとえば、登山やハイキングコースの相談に乗ってもらえるのは、この地域の事情にうとい日本人にはとてもありがたい。ご主人夫妻も山歩きをするそうで、地域の山に関する情報を沢山持ち合わせているが、時には最新情報を求めて知りあいの山ガイドなどに問い合わせてくれたり、とにかく頼りになる。また、生粋の地元っ子であるご主人は村の事情にも通じ、歴史や風俗習慣、更にロマンシュ語に関していろいろ教えて貰えるはずだ。
ご主人夫妻とお客との交流だけでなく、ここではホテルの「住人」同士が親しみ合うためのちょっとした工夫もされる。たとえば、筆者の滞在時にホテルの前庭でちょっとしたミニパーティーが開かれたことがあるが、ご主人お手製のつまみものとワインの仲立ちで、お客たちはその日からすっかり友人のようになってしまった。
さてさて、肝心の宿泊料金の方だが、実はこのホテル、この内容にしては拍子抜けするほどリーズナブルに泊れるのも嬉しいところ。興味のある方はホテルのホームページから直接メールでお問い合わせを(観光局のオンライン予約は受け付けていない)。ホームページはドイツ語のみだが、質問や予約は英語で構わない。フランス語もOK。ちなみにご主人の第一言語はロマンシュ語、奥さんはドイツ語である。
シングルの部屋もあるが、シングルの内装は割に平凡なので、できれば2人で予約してツインに泊まった方が良い。存分に楽しむためにも5泊以上の長期滞在がお勧め。ハーフペンションは扱っていないが(残念!)、町の中心部なので食事に困ることはない。
※とにかく、ハード面からソフト面まで、良いホテルの何たるかを知り尽くしている人たちの手によって実現した夢のホテル。特にトレッキング/ハイキングコースの選定とコンディション確認に関しては、ギロッティご夫妻に本当にお世話になっています
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Chasa Sofia |
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Frau und Herr Ghilotti
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★ |
観光向け度 |
★★★ |
交通便利度 |
★★★★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道グアルダ駅
この駅で下車する場合は、列車の車内にある「Halt」ボタンを押すか、あらかじめ車掌に告げておくこと。さもないと列車は通過してしまう場合がある。乗車時は駅に同様のボタンがある。
駅から村落までは郵便バスで10分ほどの急坂を登る。帰りは下り坂になるので歩いてしまっても楽しい(徒歩で駅まで30分くらい)。 |
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こんな所
アロワ・カリジェの絵本『ウルスリのすず』『フルリーナとことり』などの舞台とされる村。壁にスグラフィットが施された、重厚な造りの古い家々が印象的だが、ウンターエンガディンの他の多くの村同様、村落が南向きの斜面の中腹にあるため、雰囲気はとても明るい。伝統的な造りの家屋の中には民宿として営業している家もあるので、機会があったらぜひそういう所に泊まってみたい。もちろん普通のホテルもある。
それほど交通の便がいいとは言い難いが、以前は1日数本しかなかったバスの便も今ではほぼ1時間に1本となり、移動の途中にでも気軽に立ち寄れる場所になった。急がない旅やレンタカーの旅なら、数日滞在してもいい。とにかく一度立ち寄る価値は十分にある。
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その他
大きな商店はなく、小さな雑貨店、雑貨店に毛が生えた程度のスーパー、土産物店がある。しばらく滞在する場合、時々不便を感じる可能性あり。両替や買い物などの用は、一応何でも揃っているシュクオルの町に出れば良いのだが、この町も中心地は駅からちょっと離れていて結構面倒。公共交通機関を使う旅の場合、ここを滞在地として選ぶには少々覚悟がいるかも。
早春3月1日には、子供たちがカウベルを大音響で鳴らしながら村じゅうを練り歩く、『ウルスリのすず』のカランダメルツ Calandamaerz の行事がある。
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ミュスタイア Muestair
サンタ・マリア Sta. Maria Val Muestair
標高1300m |
公式サイトへ
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★ |
観光向け度 |
★★ |
交通便利度 |
★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道ツェルネッツ駅から郵便バスで1時間。 |
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こんな所
スイス国内でユネスコの世界遺産に一番最初に登録されたのは、ベルン旧市街とサンクト・ガレンの修道院、そしてここで紹介するミュスタイアの村にある、聖ヨハネ・ベネディクト会修道院 Clostra Son Jon (Gian) の3ヵ所だ。
スイス人から「ど田舎」扱いされるグラウビュンデン州の中でも、ここミュスタイア谷は究極の奥地という感がある。しかし古くは、この谷はスイス方面からメラン(メラーノ)経由でイタリアに抜ける重要な街道のひとつだった。その反映が聖ヨハネ修道院と、現存する素晴らしい壁画の数々。詳しい説明は各種ガイドブックに譲るが、美術や歴史に関心のある方なら、一日割いて訪れる価値は充分ある。ちなみにこの修道院は今でも「現役」の尼僧院で、その部分も見学できる。
(ついでだが、博物館のショップには尼さんお手製の可愛いグッズや、薬草シロップ類、ジャム・お菓子などなど、いかにも尼僧院らしいお土産物が充実していてGood)
文化面だけでなく、ミュスタイヤ谷近辺は登山やハイキングの対象になるいい山も多い。日本ではほとんど知られていないが、スイス国内や近隣諸国で発行されている登山ガイドにはこの地域を詳細に扱ったものが多く、時間があればぜひじっくり腰を据えてあちこち歩いてみたいものだ。
滞在地としてはミュスタイアも素敵だが、バスで10分足らず、徒歩なら1時間弱で行ける隣村のサンタ・マリアは、宿場町独特の猥雑(?)な空気の名残りのようなものが感じられ、なかなか魅力的なところである。特に民俗的なものを追い求める趣味のある人にはおすすめ。また、トレッキングの基地としてはサンタ・マリアの方が良いと勧める人が多いことも記しておく。
関連:読み物「村の機織り工房」
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その他
公共交通機関を使ってスイスからメラン(メラーノ)に抜けようと思った場合、SBBの時刻表検索でも、トーマス・クック時刻表で調べても、シュクオル経由で一旦オーストリアのナウダースに出てバスを乗り換え、メランへ向かうという便だけしか出ていない。地図を見ればわかるのだが、これは大変なまわり道になり、実際大変時間がかかる。 ミュスタイアからメランに抜ける方がずっと近道だし、しかも有名観光地、ここを結ぶバスがないのはヘンだなあと思っていたら、やはりミュスタイアとメラン間の公共バスはあった。
ただしイタリアの民間バス会社の運営によるこのバス、運行時間はいまいち不明瞭(刷り物の時刻表があるにはあるが、事前に問い合わせた方が良いとのこと)、しかも書き入れ時の日曜日は全面運休ということで、
「もっと便数も増やしてしっかりやって欲しいと、ゲマインデからも何度も頼んではいるんだけどねえ……なにぶんイタリアだから相手にならないワ」
と聖ヨハネ修道院博物館の受付のおばさんの嘆くことしきりであった。
……と思っていたら!
2005年より、ツェルネッツ Zernez 始発でここミュスタイアへ向かうオーフェン峠越え郵便バスの中に、国境を越えてイタリアのマッレス Mals/malles という町まで直行する便 "ENGADIN-MERAN-Route Express" が登場した。マッレスで列車に乗り換え、メランへ向かうことができる。所要時間はツェルネッツ〜メラン間約3時間半(おおっ!)。今度こちらへ訪れる予定の方は参考にどうぞ。
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エンガディンからチロルへ |
エンガディンからはシュクオル、ランデック(オーストリア)経由で鉄道〜バス〜鉄道と乗り継ぎ、4時間でインスブルックに着く。このルートは峠越えあり、古い宿場町あり、もちろん雪をいただくアルプスありと非常に景色が良い上、交通機関どうしの接続もかなり便利にできている。もっと注目されてもいいルートだ。
(SBBのホームページでサメダン〜インスブルック間を時刻表検索すると「乗り換え4回」と、なんだか不便そうに見える結果が出る。これは鉄道とバスの乗り換え1回をなぜか2回として計算してしまうからで、実際には乗り換え2回で済む)
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シュプリューゲン Spluegen
標高1457m |
公式サイトへ
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★ |
観光向け度 |
★ |
交通便利度 |
★ ★★ |
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アクセス
最寄り駅:レーティシュ鉄道トゥージス駅
駅からベリンツォーナ行き(一部ヒンターライン行き)郵便バスで約30分。時刻表を見ると「要予約」とある便もあるが、トゥージスから乗るのであればまず問題ない。 |
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関連ぺージ シュプリューゲン街道 その1 / その2 |
こんな所
サン・ベルナルディーノ越えおよびシュプリューゲン峠越えの宿場として栄えてきた集落だが、村そのものはいわゆる宿場町風の趣ではない。特別に観光の目玉というようなものはないが、古い家並みが連なる風景は味わいがあり、どちらかというとしばらく滞在して雰囲気を味わいたいところ。また、この地域は歩いて楽しいハイキング/トレッキングコースに恵まれているほか、スキーリゾートとして特にドイツ人に人気がある。
この村の唯一にして最大の問題点は、村の真ん前をアウトバーン、しかもアルプスの北と南を結ぶヨーロッパ最重要道のひとつが通っていること。道路と村の間を遮るものはまったく何もないので、宿は相当慎重に選ばないと、終夜トラックの騒音に悩まされかねない。現地に行く前に宿を決めるのであれば、予約の際に静かな部屋かどうか念を押したほうがいい。
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その他
シュプリューゲンはじめ、近辺の村には大きな商店はないので、滞在中何か不便が出てきたら、頑張ってトゥージスまで出るしかない。ただ、バスは1時間に1本しかないものの、夏であれば深夜まで運行しており、意外に便利。
この村からイタリアのキアヴェンナに向け、イタリアポストの郵便バスも出ている。この区間はスイスパスは使えないが、国境のシュプリューゲン峠はなかなかの景色。ぜひハイキングをおすすめしたい(パスポート必携)。
また、終点のキアヴェンナからはサン・モリッツ、またはルガーノに向けて郵便バスが出ている。こちらはスイスポストのバスなのでスイスパスOK。次の目的地への移動コースとして、観光を兼ねて利用してみてはいかが?
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Spluegen |
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Spluegen |
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アッペンツェル Appenzell
標高780m |
公式サイトへ
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(星3つが満点)
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滞在向け度 |
★★★ |
観光向け度 |
★★★ |
交通便利度 |
★★★ |
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アクセス
最寄り駅:アッペンツェル鉄道アッペンツェル駅 |
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こんな所
東スイスの高原地帯、見渡すかぎりの広大な牧草地の真ん中にあるアッペンツェルの町は、この地方独特の軒の低い木造建物が連なり、外観から受ける印象はまるでおもちゃのテーマパーク。しかしハリボテのテーマパークとの違いはやっぱり、町の隅々まで染み付いた歴史と生活の重み。ちなみにこの町はかのランツゲマインデが今でも健在で、毎年4月の最終日曜日に、町の中央にある広場で市民一斉参加の議会が開かれる。
アッペンツェルは日本のガイドブックでも比較的大きく扱われているが、実際にはここで日本人を見かけたことはあまりない。交通の便が若干悪いのと、エリアが広いため数日は滞在しないと良さが分からない、というのが理由だろうか。しかし、観光によし、ハイキングの基地によし、ゆったり派にはなかなかの穴場だ。
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その他
スイス国内では、ここはなんと言っても特産品のチーズ(アッペンツェラー)で名前を知られている。町の中にはチーズを商う店や、チーズ用のテーブル用品、さらにはチーズ作りの道具などを売る店もあり、のぞいて見ると楽しいだろう。 このアッペンツェラーは、付近でよく見かける淡い灰褐色の牛が出す乳で作られた、濃厚で多少クセのある匂いのするチーズ。なんでも熟成中にチーズの表面を何度かワインで洗うので、こんな独特の匂いになるのだとか。スイスではエメンタール、グリュイエールと並ぶごくごく日常的なチーズだが、日本では一部のデパートなどでしか手に入らず、スイスヘビーリピーターたちは時々この匂い(臭い?)を思い出して恋い焦がれるのであった……
話は変わるが、アッペンツェル地方を結ぶアッペンツェル鉄道はなかなか楽しい電車。特にガイス Geis 〜アルトシュテッテン Altastaetten 間は、高原からライン川の谷に向かって一気に下るラックレール使用の線で、天気がよければ素晴らしい風景が堪能できる。鉄道マニアでなくてもおすすめ。ちなみにアルトシュテッテンまで行ったらバスで5分ほどの国鉄駅に出て国鉄に乗り換え、近くのヴェルデンベルクの町を見物するのが地元の人のイチおし。残念ながら筆者は行ったことがないが、中世からの城下町だそうだ。
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Appenzell |
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Appenzell |
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