足で歩くスイス 旅のFAQ
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 「足で歩くスイス」御愛読大変ありがとうございます。

 これまでにスイス旅行についての質問のメールを幾つかいただきましたので、その中から特に多かったもの、ちょっと気になったものを取り上げ、FAQページを作成してみました。

 なお、ここに書いてある解答には、筆者の主観や経験で善かれと思ったものも含まれています。時期により状況が変動する可能性もあります。この欄を参考にした結果発生したアクシデントに対し、筆者は責任を負いかねますのでご了承下さい。

※このページに明らかな間違いを発見した方はぜひお知らせ下さい!
また、皆様からいただいたメールをこのコーナーに掲載する場合、改めて御連絡いたします。
おたよりはこちら
(アドレス内のDUMMYという文字を抜いてyahoo.co.jpと入れて下さい)


1. ホテル探しについて〜もっとも多い悩み
・ガイドブックに出ていないようなホテルはどうやって探しますか?
・「スイスホテル協会」に加盟していないようなホテルは安心ですか?
・泊まりたいホテルの公式HPに英語ページがないのですが、そういう所は英語は通じないですか?
・いいホテルを教えて下さい
      
2. 交通について
・郵便バスの具体的な予約方法は?
・氷河特急の予約の仕方を教えて下さい
・(上記以外の)列車の予約の仕方を教えて下さい
・登山電車やローカル電車のダイヤはどうやって知ることができますか?
・レンタカーで移動したいのですが、ミシュラン地図しか手に入りません。スイスではどうなんでしょうか?
      
3. ハイキングについて
・飲める水、飲めない水
・女性ひとりでトレッキングしたいのですが……
・子供連れでハイキングする場合の注意点はなんですか?
・高山病が心配です
・ハイキング標識の所要時間はどのくらい参考になりますか?
      
4. その他
・スイスでテロの心配はありませんよね?
・行きたい場所の情報がうまくインターネットで探せません
・女性の一人旅、スイスの治安の現状は?
・スイスは物価が高いそうですが、実感としてどんな感じですか?
・スイスの温泉、どうやって入るの?
・おすすめの買い物スポットはありますか?
・観光シーズン以外の天候がわかりません
・プランニングのコツはズバリ何でしょうか?
・スイスでもユーロは使えますか?
・人種差別みたいなのはありますか?
・セントポーリアを栽培なさっているようですが、留守中はどうしていますか?
      
1. ホテル探しについて 〜もっとも多い悩み
質問:
旅行ガイドブックに出ていないようなホテルはどうやって探すのがベストですか?インターネット検索でいろいろ引っ掛かってきますが、信用度がいまいち不安です。
答え:
一番簡単なのは、スイス全土のホテル・民宿・貸しシャレーの大多数が加盟するスイスホテル協会のHPを利用することでしょう。高級ホテルから安い民宿までなんでもあり、写真も見られます。好みにあうホテルを見つけて下さい。

また、泊まりたい町や村など自治体の公式HPから探すというのも有効な方法です。この次の項目に詳しく書いておきましたのでお読み下さい。ただし自治体のHPは英語ページがない所が多いので、ドイツ語やフランス語、イタリア語の基礎知識がないと判読するのは面倒です。

インターネットでランダムに検索する場合は、Yahooのような日本語サイト内しか検索しないサーチエンジンではなく、Googleなど言語を問わない検索で、hotel、Guesthouseというような単語とともに、地名を入れて探してみましょう(注:ペンション Pensionという単語は、宿泊ではなく年金関係のページが大量に引っ掛かってきて混乱するので避けます)。また、仏独伊語が多少なりとも理解できれば無敵です。
引っ掛かってきたホテルの信用度を測る指標はこの次の質問のところに書いておきました。

現地の宿との予約のメールやFAXのやり取りの際、商習慣の違いから日本人が失敗しやすい点があります。こちらに掲載済みですので、ご参考までに……

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質問:
私が宿泊したいホテルは「スイスホテル協会」に加盟していないようなのですが、大丈夫ですか?1人当たりの料金もかなり安い所なのですが、よく考えるとそれも心配になってきます。
答え:
とりあえず泊まりたい村や町の公式ホームページを探しましょう。たいていはhttp://www. の後に村の名前を入れ、スイスのドメインである .chを入れれば、村役場や観光局のHPに直接リンクできます。たとえばEngelbergという村の場合、URLは以下のようになります。
http://www.engelberg.ch
また、あれこれウインドウを出すのが面倒でなければ、いったんスイス政府観光局の日本語ホームページに行って、そこから各地の公式ページへリンクするのが確実です。

そうやって地域の公式ページを見て、「宿泊」のところにそのホテルの名前があれば、まず心配ないと思います。ただし特に若い女性の方、バーゼルやチューリヒ、ジュネーヴなどの大都市だけはホテル協会加盟の宿の方が絶対安心です。スイスといえば清廉潔白なイメージですが、売春窟のような世界も存在します。

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質問:
私が宿泊したいホテルのホームページには英語のページがないのですが、ということはつまり、そのホテルでは英語は通じないのでしょうか?
答え:
小さいホテルや民宿の場合、筆者周辺の実感では、仮にホームページに英語版がなくても、ドイツ語圏なら99%の確率で英語が通じます。以下フランス語圏で90%、イタリア語圏だと80%という感じが妥当な線でしょうか……。
とりあえずホテルに英語でメールを送ってみましょう。ほとんどの場合、ちゃんと英語で返事が来ると思います。もしも4〜5日待ってダメだったらあきらめましょう。部屋数30以上あるようなホテルだったら絶対英語が通じます。

筆者の今までの経験では、英語ページがない小さなホテルや民宿はローカル色豊かで面白い所が多かったので、あえてそれを狙うのはひとつの手だと思います。特にそのホテルにレストランがついているような場合は、地元常連さん向けの店である可能性が高く、濃厚なスイスの民俗に触れるチャンスです。

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質問:
ガイドブックに出ているホテルは日本人が多そうでイヤなのですが、上手にホテル探しをする自信がありません。良かったら(筆者が)よく泊まるorおすすめホテルを教えて下さい。
答え:
よく考えると矛盾した質問ですが……( ^ ^; )。でも、気持ちは良くわかります。

筆者はケチではなく、山ノボラーによくある選民意識を軽蔑しているので、本当に興味がある方には、ホテルだろうが旨い店だろうが秘密の楽園だろうが、おすすめスポットをお教えします。情報は皆で共有しましょう。もっとも、知らない地域や行ったことがない所のことはお教えできません。また、そこがあなたの好みに合うかどうかまでは保証できません。
場数を踏んだら、次第に自分だけのオリジナリティを追求して下さい。

ついでですが、旅先で日本人に出会っても、イヤそうに目をそらすような事はしないで下さいね。

おスイス
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おスイス
2. 交通について
質問:
郵便バスをもっと活用したいのですが、乗車に予約が必要と聞きました。具体的な予約方法を教えて下さい。
答え:
郵便バスで予約が必要なのは大きな峠を越えるルートや長距離など、一部区間のみです。たいていの路線は、行ったその場で乗車可能です。予約が必須のバスは郵便バスホームページで一覧表が見られるほか、SBBの時刻表検索で出てくる結果の詳細情報欄に"Reservation compulsory"と表示されます。

予約の方法:
予約の締め切り時間は路線にもよりますが、峠越えコースや長距離は基本的に24時間前までに申し込みます。郵便バスターミナルの事務室や、大きな郵便局の郵便バス窓口、小さな郵便局だったら普通の窓口で、乗りたいバスの区間と乗車日時、時間を指定し、代表者の名前と乗車人数を告げればOKです。電話予約ももちろん可能ですが、バスごとに連絡先が違いますので注意しましょう(これは郵便バスホームページの一覧表に出ています)。また、路線によってはオンライン予約も可能です。

※言葉の苦手な方でも安心な電話予約
小さい郵便局で予約を申し込むと「自分でこちらに連絡して予約して下さい」と言って、連絡先電話番号と電話を渡されることが多いです。言葉が苦手の方はそこで面食らうかもしれません。事前に「私は郵便バスの座席を予約したいです」「何月何日・何時何分の郵便バス、○○発で、××まで乗ります。人数○○人、私の名前は○○と言います」という簡単なセリフをメモか丸暗記しておきましょう。予約係の人はそういうやりとりに慣れていますので、メモの棒読み、あるいは途中でシドロモドロになっても心配はありません。

※予約必須区間だけど利用時間が特定できない、という場合
山間部の路線では、利用者が少ないという理由で予約が必要な区間があります。たとえばトレッキングで人気のヴァリスの奥地などにもそういう路線があるのですが、下山に使う時などは時間が特定できないことも多く、一瞬考えてしまいます。
とりあえず筆者の経験では、下山時にその場で申し込んで断られたことはありませんでした。ただし、夏の午後などはそんな飛び込み乗客が何人もいて、乗り切れずにピストン輸送→ダイヤ無視ということも起こります。乗り継ぎがある場合は、事前に運転手さんに告げておけば、乗り継ぎ先に連絡して待たせてくれるなど、ある程度まで取り計らってくれます。

峠越えや長距離路線も、空席があれば予約なしで乗せてもらえます。1〜2人だったら現場の係員か運転手さんに尋ねてみるといいでしょう。ただしこちらは、満席になると短区間乗車以外は受け付けて貰えません。
(実際には人気路線でも完全満席というのはあまりありませんが……でも時にはあります)

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質問:
スイスでは氷河特急に乗りたいと思うのですが、氷河特急のHPにメールを送ったら「現在HPでの予約は受け付けていません。ヨーロッパの主要駅で予約できます」というような返事が来てしまいました。ということは、日本では旅行代理店でしか予約できないのでしょうか?
※この記事は2004年に掲載したものです。現在はオンライン予約可能(詳しくは本文をお読み下さい)
答え:
氷河特急のHPを見たら、確かにそう書いてありました。だったらReservation用のメールアドレスなんてわざわざ載せなければ良いのにね。
……と、ここまでは2004年の記事。

●氷河特急のオンライン予約が可能になりました(2005年)●
予約できるのは乗車日の3ヶ月前から。オンライン予約可能な乗降駅はツェルマット、ブリーク、アンデルマット、クール、サン・モリッツの5駅のみ。予約必須区間(ブリーク〜ディセンティス間)を乗車し、なおかつ上の5つの駅以外……たとえばオーバーワルトなどで乗り降りしたい場合は氷河特急HPの「コンタクト」ページから、マッターホルン・ゴッタルド鉄道 Matterhorn Gotthard Bahn に直接尋ねてみて下さい。
(情報提供 TN様 2005年4月)

上でもチラッと触れましたが、氷河特急で座席指定が必須なのはブリーク〜アンデルマット〜ディセンティス間(旧FO区間)だけです。もしも少人数の旅だったら、氷河特急の座席指定は3日前くらいまでに現地で予約すれば充分でしょう。スイス全国の切符売り場のある駅ほぼ全て、またはヨーロッパ各国の主要駅で予約可能です(空席があれば、もちろん当日でも乗車できます)。ただしダイニングカーで食事をなさりたい場合は話が別で、旅行代理店経由ででも早めに予約した方が無難だと思います。

氷河特急はほぼ丸一日の乗車になりますので、ダイニングカーを利用しない場合はランチの用意をお忘れなく。車内販売のサンドイッチはあまり美味しくありません。ツェルマットやサン・モリッツあたりでは、事前予約で豪華なランチボックスを作ってくれるホテルもありますので、フロントで相談してみて下さい(個人的にはダイニングカーよりこちらがお勧めです)。

おまけ:
日本人はいわゆる「現地ツアー」を利用する人が意外に少ないのですが、氷河特急HPで募集している、豪華ホテルの宿泊と観光つきパッケージツアーに参加したスイス在住の日本人の方の話では、なかなか良かったそうです。興味のある方はどうぞ。

おまけ2:
氷河特急全区間のうち、車窓風景が良いと断言できるのはアンデルマット〜ディセンティス間です。実は、それ以外の区間はスイスとしては割合平凡な景色しか見られません(有名なラントヴァッサー橋のあるトゥージス〜サン・モリッツ間もまあまあ良いかな)。パッケージツアーの広告を見ていると、アンデルマット〜ツェルマット間だけの乗車がよく見受けられますが、そういうルートを選択するツアーの質は一体どういうもんかな?と思います。参考までに……

氷河特急に関する細かいことは、以下のページもご覧下さい。
旅のFAQ・ミニ なんでも質問コーナー

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質問:
子供連れで旅行する予定なので、電車で確実に座れるように座席を予約したいのですが、どうしたらいいでしょうか?予約したいのはチューリヒ〜インスブルック間です。
答え:
時刻表の注記に"Reservation possible"または"Reservation compulsory"と書いてある列車であればスイス国鉄のHPから座席予約できます(一部を除く)。列車時刻検索で乗りたい列車を探し、そこから直接予約ページに行きましょう。なお、スイスパスやユーレイルパス、各種割引カードをご利用の場合は、その旨を必ず明記して下さい。不明瞭な点は事前にメールで質問すれば良いでしょう。
注記にReservation云々がない列車はHPで予約できない場合もありますが、その場合も現地の駅窓口なら予約できます。ご乗車の区間は幹線ですから、ヨーロッパの主要駅ならどこでも予約可能でしょう。だいたい前々日までにすれば充分だと思います。

ところで……スイス国内に限定した場合、長距離列車が日本のJR特急/新幹線のように混雑することは滅多にありません。筆者の経験では、スキーシーズンの週末の夜以外には、席が見つからないという経験をしたことはありませんでした。日本的な感覚で「予約しなきゃ座れないかも」と心配する必要はほぼ皆無です。
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質問:
登山列車やローカル電車、郵便バスの詳しいダイヤはどうやったら知ることができますか?
答え:
スイス国鉄のHPの時刻表検索は、恐ろしいことに登山列車やローカル私鉄はもちろんの事、郵便バスから市電チンチン電車に至るまで、ほぼすべての公共交通を網羅しています。経由地も任意で選択できますので非常に便利です。主要国際列車ももちろんカバーしています。
また、書店で販売されているトーマスクック時刻表には主な登山列車を含む主要区間のダイヤが出ていますし、もっと徹底したい方はスイス公式時刻表(鉄道/バス編)が日本国内でも入手可能です。

スイス現地へ行くと、駅の窓口、観光局、郵便局で小冊子状の地域の時刻表が手に入ります(郵便局は郵便バスのみ扱い)。これは重宝なだけでなく、記念品としても上々ですので、ぜひゲットして下さい。

追記:ドイツ国鉄HPの時刻表検索はもっと凄かった!ユングフラウヨッホ発北京行きなんていう要求にも立派に答えを出してきます。さっすが少佐のドイツ!(若い方、知ってる?)どこまで突っ込んだ検索が可能か、おヒマ時にでも試してみて下さい。ただし、毎日運行ではない便を含む接続は、出発日の設定によっては「解答不能」が出てしまうようです。

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質問:
レンタカーで旅をする予定なのですが、私の地元ではミシュラン地図しか手にはいりません。スイスに行けばもっと縮尺の大きなロードマップが手に入りますか?
答え:
大きな書店や雑誌キオスクなどで、日本の『マップル』みたいな感じのロードマップが手に入ります。都市拡大図つきなど様々な種類があるので、お好きなのを選んで下さい。
ただし、日本のロードマップと違ってそれほど大縮尺のものはありません。大体1:300,000程度が標準です。なぜなら日本ほど道路が複雑ではないので、それで事が足りてしまうからです。
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3. ハイキングについて
質問:
スイスでは山の沢水や湧き水が飲めないと聞きましたが、本当ですか?また、村や町にある共同水道(?)の水は飲めますか?
答え:
沢水(表流水)は飲めません。
どんなにきれいに見えてもいけません。高所で家畜を放牧するので、たいてい雑菌や寄生虫などによる汚染があります。特に寄生虫は潜伏期間が長く、発症した時に日本では対処できない種類のものがあるそうです。

湧き水も要注意です
清潔なコップが置いてあったり、パイプで人家に導水していたりと、人間が飲用として使っている形跡があれば大丈夫ですが、もしも不安だったらやめておきましょう。理由は上で述べた通りです。
比較的人通りの多いハイキングコース沿いにある湧水は、飲用に適さないものにはたいてい警告が表示してあります。

村や町の広場や路傍にある泉(共同水道)の水は基本的に飲めます。
たまに飲用に適さない泉もありますが、その場合は警告が表示されます。
町の創立期からあるような泉は、水質がよくておいしい水が多いようです。大都市でもそういう「名水」があり、近所に住む人が毎日わざわざ水差しを持って飲み水を汲みに来たりします。ちょっと『ハイジ』のワンシーンのようです。

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質問:
30代の女性です。一人旅でスイスを回る予定で、トレッキングもしてみたいと思っていますが、大丈夫でしょうか?
答え:
このような質問をたくさん受けるのですが、登山に関しては体力、技術など本当に人それぞれなので、なんとも答えようがないというのが正直なところです。

・日本での登山経験がない人は、基本的に単独トレッキングはいけません
日本で普段しないようなことは、海外でもやらない方が無難です。一般向けの旅行ガイドブックに載っているようなハイキングコース……たとえばクライネ・シャイデック〜ウェンゲン間など……を歩く程度に留めるべきでしょう。それでも充分楽しめます。

・日本でそこそこの登山経験は積んでいるという方
(実際に自分でプランを立て、地図を読んで行動したことのある方に限ります)
少し容易なコースで試してから、その方の実力や好みに応じて、徐々に行動を拡大して行くようにするといいと思います。また、情報収集のためにも、英語or現地語、あるいは筆談でそこそこ意志疎通ができるようにしておけば無敵です。

ところで、ここで問題になるのは、質問の方のように「女性ひとり」という場合ですが、
・あまり人の気配のない登山道は避ける
・イタリアとスイスの国境越えになる峠の近辺……特に自動車道が通っていない谷……を歩く場合は、事前に現地でそこの治安情報を得る
・移動のバスや電車の中などで周囲の人たちと親しくなって一緒に歩く(家族連れや女性のいるグループにしましょう)

……など、実際の行動中はまったくの単独にならないよう気をつけた方が良いと思います。最近はスイスも物騒なのか、筆者も2005年頃から「女性の単独行はやめなさい」と、現地の人に注意されることが多くなりました。

知らない人と歩くのはなんとなく気後れするという引っ込み思案の方は、最初に「今日はどちらまで?後からついて行ってもいいですか?」という程度に一声かけ、あとはつかず離れず……くらいの間隔を保って歩いてはいかがでしょうか。

それから、日本で言う「登山届」がわりに、宿泊先の信用できる人にその日の日程を告げておく、あるいは日本の家族とあらかじめ定時連絡の取り決めをしておくなど、イザという時のための根回しもしておきましょうね。

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質問:
小学5年生と3年生の子供たちを連れてグリンデルワルトでハイキングをしたいのですが、おすすめコースがあれば教えてください。また、どんなことに注意すれば良いですか?
答え:
好みや体力がわかりませんので、おすすめというのは難しいのですが……ガイドブックによくあるコースですが、フィルストからバッハアプルゼー往復、あるいはクライネシャイデックからウェンゲンなどはお子さん連れでも楽に歩けるのではないかと思います。ハイキングコースについて詳しく知りたい場合は、普通の旅行ガイドブックではなく、「山と渓谷」などから出ているアルプスハイキングガイドを参考になさって下さい。

注意したい点としては
●子供は大人と違い、それまで元気で飛び跳ねていたのが、急に疲れたり具合が悪くなったりして動けなくなります。これが一番恐いので、体調には気を配って無理をしないようにして下さい。
●日本より乾燥しているので、涼しくても飲み水はたっぷり持ちましょう。
●長距離コースを選ぶ場合は、コース途中に鉄道駅やバス停など、疲れたときの逃げ道があるかどうか確認しましょう。
●下り坂=楽というイメージでコースを選定してはいけません。緩やかな下りなら問題ありませんが、きつい傾斜の山道の下りは意外に疲れやすい上、足の皮膚が薄いお子さんはすぐマメをこさえてしまいます。また、岩場や滑りやすい場所の通過は登りよりも下りの方がずっと危険です。
●日本より太陽の角度が低く、直接目に太陽光線が入ってきます。お子さんにもサングラスを用意してあげて下さい(日本で選ぶより現地のほうが品物が豊富です)
●イザという時のため、お子さんに「迷子メモ」を持たせましょう。本人および保護者の名前と宿泊先、「道に迷いました/ここに連絡したいです」というような、簡単な連絡文を書いておきます。
(筆者が小学生の甥をスイスに連れていったときは「迷子になったら鉄道の駅員さんにこれを見せなさい。他の人はダメ」と教えました)

グリンデルワルトでは、レストランでハイキングコースをプロットした鳥瞰図が貰えますので、それをお子さんに持たせて「今はどこを歩いているよ」と認識させるといいと思います。

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質問:
ツェルマットに5日間滞在してハイキングをする予定ですが、高山病のことが少し心配です。以前富士山に登ったときには高山病になり、8合目でリタイアしました。高山病への対策があったら教えて下さい。
答え:
高度への順応は人により差があるので、対策と言っても一概には申し上げられません。これは生まれながらの体質によってかなり左右され、トレーニングの多寡などはあまり関係ないとのことです。ただ、高山病は下山すれば完全に治ってしまうものですから、ハイキング程度であれば神経質になることはないのではないかと思います。

高山病で一番怖いのは、行動中は無症状なのに、長時間の休憩中や就寝中に症状が出るということです。特に血圧が低下する就寝中は症状が急激に悪化しやすいので、普段山歩きをしたことのない方、高山病になったことのある方は、ゴルナーグラートの山岳ホテルのような標高の高い場所に宿泊するのは避けた方がいいでしょう。

また、実際に高山病になったとき、酸素を沢山吸おうとして深呼吸するのは禁物です。特に強く息を吐き出すことは急激な血圧低下を招き、数秒で立てなくなるようなことがあります。強い動悸、息切れ、頭痛、吐き気などの自覚症状が始まったら、できるだけ普通に呼吸しながら軽く歩き回って血液の循環を良くし、すぐに下山するようにしましょう。
(標高3000m程度の場所での高山病の多くは、全身にかかる大気圧の低下で毛細血管が不必要に拡張するなど、体内の循環システムがうまく作動しなくなって発症します。呼吸する酸素が少ないことは原因としては大きなものではありません)

おスイ
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質問:
スイスのハイキング標識には所要時間が書いてありますが、日本人にとってどのくらい参考になりますか?
答え:
これは個人のペースによりけりなので一概には答えられません。何回か自分のタイムを計り、標識と較べてみてはいかがでしょうか?

筆者の周囲を見回してみると、山慣れした人は登りならだいたい標識のタイム前後で歩いていますが、下りは多少時間がかかる人が多いようです。現地で売られているトレッキングガイド/地図の所要時間を参考にする時も、同様に考えた方が良いでしょう。そんなわけで、自分のタイムを計るときには登りだけでなく下りにも注目しましょう。

スイス人は慣れや体格のせいか下山のペースがかなり早く、それを基準にして作られた指標通りに日本人が歩くのは多少きついかもしれません。「私は下りが得意」という人のペースでだいたい標識の時間くらいという感じです。

標識に関してもっと詳しく知りたい方は……
ルートルさんのホームページ「めざせ!! スイス100名山」の記事「道標と難易度〜スイス山岳会の難易度基準」を読みましょう。ルートルさんありがとう〜〜〜!

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おスイス
4. その他
質問:
海外でテロ事件が相次いでいますが、スイスではテロの心配はないですよね?私は特に気にしていないのですが、家族が心配して「キャンセルすれば?」と言ってきました。
答え:
夏休みシーズン、しかもロンドンでの事件を受けて、一気に複数の方から上記のようなメールをいただきました(2005年7月)。

実際のところスイスでもテロの心配が100%ないとは言い切れません。現在起こっているテロの根本にある思想と、スイスの永世中立国という立場は基本的にあまり関係がないのです。

ちなみに手近なところでベルン市近辺をちょっと見回してみると、「対テロ戦争」に加わっている諸国の大使館と関連施設のような要所要所に、やっぱり厳重な警戒体制が敷かれています。筆者がいつも居候を決め込んでいる友人宅の近所には、イスラエル大使館関連の施設があるのですが、前を通ると機関銃を構えた兵士(スイス軍人)が「グエッテモ〜ルゲン!」なんて挨拶して来るので、ビビります。

もっとも、現実にはテロリストが攻撃対象としてわざわざスイスを選択する理由もあまりないと思われるんですが……。要するに、「スイスではテロの心配はないですよね?」という質問に対し、筆者としては「わかりません」としか答えようがありません。

さて、テロの危険が騒がれる今日この頃、欧米への海外旅行はどのくらい危険なのでしょうか?ちょっと乱暴な方法のような気がしますが、物事の危険度を測るときに時々使われる、交通事故リスクとの比較で考えてみましょう。

2003年度、日本で交通事故で死亡あるいは負傷した人は合計で1,189,133名でした。当時の日本の人口が約1億2,769万人ですから、この年、日本で約107人に1人(!!)が交通事故の被害に遭っているわけです。死者だけで考えると、約1万6,600人に1人が交通事故で亡くなっている計算になります。一方、同じ時期に海外でテロの被害に遭った日本人の数はと言うと、2003年度に海外で「テロ」で負傷・死亡した人は4人。同時期の海外渡航者数および海外居住者数は計1,420万7,392人、つまり、約355万1,800人に1人が「テロ」に巻き込まれ、被害に遭った計算になります。
(ちなみに、同年に海外で窃盗や詐欺、交通事故などの事件・事故に遭った人の総数は875人、これは約1万6,200人に1人の割合です)

つまり、
「海外旅行はテロが怖いからや〜めた。千葉へ海水浴にでも行こう」
なんて言った人の方が、ずっと危険に身を晒しているということになりますね。

人はどうしてもセンセーショナルな方に目が行ってしまうので、テロの危険を過大評価しがちですが、合理的に考える人はこんな結論に至ると思います。
「一般市民レベルの場合、テロに巻き込まれるか否かはもう単純に運の問題」
(ジャーナリスト・惠谷 治氏)

しかしそれでは割り切れないのが人情。それに現実問題として、運悪く海外で事件・事故に巻き込まれた場合、後々がかなり大変なことになります。結局最後はあなたの価値観、危機管理能力、語学力等々で行動を決めて下さい。この項でエラそうに喋り散らしている筆者ですが、2001年の同時多発テロ直後にドイツに行く前には、やっぱりいささか迷いました。飛行機苦手だし……

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質問:
ガイドブックに出ていない場所の情報を、インターネットで探していますが、なかなか上手に探せません。検索のコツがあったら教えて下さい。探しているのは英語ではなく 日本語のホームページです。旅行記や旅の感想みたいなものでも構いません。
答え:
まず最初に、お使いのサーチエンジン(検索サイト)は何でしょうか?
2005年夏の段階では、インターネットでこの種の情報を検索するのにグーグル(Google)をお奨めします。サーチエンジンを変えるだけでもかなり結果が違います。

次に、外国の情報を日本語で探すときにしばしばネックになるのは、発音表記(読み方)の違いです。

たとえば、スイスにIseltwaldという村がありますが、この綴り、何とお読みになりますか?
だいたい
「イゼルトヴァルト」「イゼルトワルト」「イセルトワルト」と、様々な答えが返ってきます(実際にいずれの読み方も現地で通じます)。つまり、ホームページ上にもいろいろな読み方が混在しているわけで、検索でうまく結果が出ない要因になっています。試しにこの3種類の読み方で順番に検索すると、それぞれ2〜3個の結果しか出て来ません。

そこで!
さきほどお奨めしたグーグルの検索ページを開きましょう。検索ウィンドウに、お探しの地名をアルファベット表記で入れて下さい。そして、検索ウィンドウにある「日本語のページを検索」のボタンを押してから、「検索」をクリックします。さきほどのIseltwaldで実験してみると、10以上の結果が表示されるはずです。

この方法では、アルファベットで地名を入れていないホームページは検索されないことになりますが、ことにマイナーな場所の情報を探すときは、これが一番能率が良いようです。

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質問:
はじめての一人旅(女性)に挑戦しようと思ったのですが、前から行きたいと思っていたスイスはどうでしょうか?スイスは一人旅初心者向けと聞きました。スイスの治安はいいと言いますが、トラブルなどは聞いたことありますか?
答え:
スイスの治安は大体日本並みと考えればいいと思います。変な話ですが、最近ちょっと気味の悪い事件が多くなってきたところまでそっくりです。日本で気をつけていることは同じようにスイスでも気をつける……という感じで大丈夫でしょう。ただし夜間の都市部、特に駅のような公共空間の治安は日本よりかなり悪くなるので、注意して下さい。また、アメリカ式の大規模ホテルに泊る方、そういうホテルは女性にとって安心とは言い切れないものがあります。身の回りと持ち物にある程度用心しましょう。

女性に限らず、ひとり旅の方は、最低でも数日に1度は家族の方と電話連絡を取ることをおすすめします。「ワタシって、他人に干渉されたくない人だから」なんて気取らない方が良さそうです。過去に日本人旅行者が巻き込まれた事件をいろいろ見ていると、家族や周囲の人(現地の人たちも含む)とのつながりが薄い人にトラブルが多いのは明白です。外部とのコンタクトがよく取れていない方は、情報をうまく入手できず不適切な行動を取ってしまったり、行方不明になっても気づかれにくいなど、犯罪のターゲットになりやすいものです。

それから 女性ひとりでトレッキングしたいのですが…… の項にも似たようなことを書きましたが、普段日本でやらないようなことは、海外でもしない方が無難です。例えば、日本でほとんど夜遊びをしないような人は、海外でもしない方がいいでしょうね……。ひとり旅の初心者は、最初は「慣らし運転」のつもりで、飛ばしすぎないよう気をつけましょう。犯罪に限らず、事故や病気などの厄介事に関わらずに済ますには、これが最善の方策だと思います。

※治安云々だけでなく、フツーの事故や病気にも気をつけましょう。よい旅を!

関連:
スイスの雑記帳・旅のよもやま
「S嬢の事件」
私の友人・20代半ばの女性の、スイス一人旅失敗談です。

おスイインデックスへ
質問:
男女計6人でヨーロッパ数カ国の自由旅行を漠然と考えていて、とりあえずイタリア(最低でもローマ、ベニス、フィレンツェ)に行くことだけは決まっています。2週間ほどの予定なので、スイスも何泊か計画に加えたいと思っているのですが、スイスは物価が高いということで皆の猛反発にあっています。実際にスイスは本当にそんなに物価が高いのでしょうか。定年退職者ばかりなのでやり繰りを気にしつつ、かと言って少しは贅沢もしたく、ケンケンガクガクです。
答え:
結論から先に言いましょう。スイスは確かに物価が高いです。実感はレートの変動によっても変わってくるのですが、1スイスフラン=90円前後だったら、ちょうど日本と同じくらい〜少し高めという感じでしょうか。そして困ったことに、スイスでは旅行者にとって肝心の交通費と食費が日本よりかなり高くつきます。それでも交通費はパス類を上手に選択・利用すれば随分カットできますが、食費がむやみに高いのは、長旅だと本当に腹立たしくなってきます(スーパーで材料を買っても高い!)。

しかし!
それでは他の国はどうかというと、実はスイス近隣のEU諸国に関して言えば、やっぱり同様に物価が高いのです。特に要注意なのがイタリア。物価が安いというイメージがありますが、それはEUの通貨統合以前の話で、今では都市部や観光地ではスイスとあまり差がない状態です。筆者の周囲では、イタリアの予算を低く見積もって失敗した話を結構聞かされます。まして、ドイツやベネルクス諸国あたりに至っては、最近のユーロ高の影響もあり、下手をするとスイスよりも高くつく旅になります。

なんだか変な論理になってしまいましたが、スイスは物価高だから日程から外す、というのがナンセンスなのはとりあえずお分かりになったと思います。他にスイスを避けたい事情がなければ、ぜひ訪れてみて下さい。

スイスで旅費を浮かすポイント
……は宿泊です。いくつかの国を回るとわかりますが、交通費・宿泊費・食費・その他と、国によって安くあげられる部分/高くつく部分が違うんですね。

スイスの山岳リゾート・観光地では、4ツ星クラス程度のホテルもそれ以下のホテルも、実際のサービス内容に実質的な差があまりありません。例えばグリンデルワルトあたりでは、1人1泊200スイスフランの4ツ星ホテルも、1人100スイスフラン以下のプチホテルも、実際のサービス内容や室内のあつらえ、展望は意外に変わらないものなんです(実は!)。事前によく研究すれば、万円単位で経費が浮く上、ときには高級ホテルよりも丁寧でアットホームなサービスが受けられます。

ただ、チューリヒのような大都市や、ルツェルン、ルガーノのような「湖畔の大リゾート」では、宿泊費とサービスの内容はほぼ正比例の関係にあるようです。また、山岳リゾートでもツェルマットだけは、値段と展望が思いっきり関係していますが、別にマッターホルンにこだわらなければ、あとはよりどりみどりです。

安めの宿だと、もしかしたら治安が気になるかもしれませんが、スイスに関して言えば、大規模ホテルよりもオーナーの目が行き届く小さいホテルの方がずっと安心です(都市部の極端な安宿を除く)。

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質問:
スイスの温泉に挑戦してみたいと思っていますが、テレビや雑誌などで見るヨーロッパの温泉は、マッサージやエステがコースになった豪華なものばかりで尻込みします。私は単に入浴したいだけですが、それは不可なのでしょうか?語学に自信がないので、あらかじめ基本のハウツーがわかれば助かります。
答え:
ヨーロッパの温泉というと即座に、入浴・飲泉、マッサージ、エステなどがワンセットになった「温泉療養」を想像しますが、もちろん入浴だけでもOKで、公営温泉はもちろん、個人経営のホテルの温泉もほとんどはビジターで利用できます。マナーや段取りは、日本の温水プールとほぼ100%同じです。

持ち物:水着、タオルなど、プールに行くときと同じ支度をします。タオル類は宿泊しているホテル備え付けのものを持っていくと良いでしょう(温泉にはレンタルもあるので、日本のように「立ち寄り温泉」もできます)。

手順:まず、受け付けに行って料金を払いましょう。単純に「大人○○名」と言えば、入浴だけの入場券をくれるはずです。値段は温泉によってかなり差がありますが、だいたい20〜30Sfr.前後と、結構高めです。多くの温泉で、「我が町のホテル・民宿に○泊以上の方は○割引」のようなサービスがあるので、お泊まりの所で尋ねてみると良いと思います。

入場券を買ったら、いよいよ中に入りましょう。日本の温泉と違い、たいていは1回の入場に制限時間があり、2時間くらいが相場です。

更衣室で水着に着替え、シャワーコーナーでよく体を洗って温泉へ入ります。水着着用なので、温泉に男女の別はありません(たまに水着不着用で男女一緒なんていうすごい所もあります)。肝心の温泉は、チャプチャプ浸かれる普通の室内温水プール、競泳用温水プール、ジャグジー、打たせ湯ふうの設備などがあるのが相場です。山間のリゾート地では露天風呂(プール)がある所も多く、日本人にはたまりません。また、休憩室やプールサイドには寝椅子が置いてあり、みんな好きな所にバスタオルなどを置いて、my寝椅子をキープしていますが、見晴らしの良い場所は有料or宿泊者専用になっている施設もありますので、"Reserved"の表示に注意しましょう。

入浴が終わったら、シャワーで体を洗って着替えましょう。更衣室にはたいていヘアドライヤーが備え付けてあります。最後に、もしも飲泉コーナーがあったらミネラル水の試し飲みもおすすめします。

おまけ:温泉の受付で「ご当地シャンプー・せっけん」の販売をしている所が結構あります。大体どこも土地の名産ハーブを配合し、『アルプスの薬草シャンプー』みたいな名前がついているのがお決まりのパターンです。薬草というと何やら恐ろしげですが、ローズマリーのようなさわやかな香りのものが多く、現地で使って残りはお土産、なんていうのになかなかオススメですよ。しかし!シャンプーは後で髪の毛が物凄いボリュームになることがあるので、ボンバーヘッドになりやすい人は注意しましょう。
(ヨーロッパ人は髪が多いことに憧れるので、ボリュームアップ成分の入ったシャンプーが多いのです。ちなみに髪が多い女性の方は、ボリューム感を生かした髪形にキメると、あちこちで「すてきね!」と声をかけられます。筆者もそれだけは褒められて…)

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質問:
スイスでのおすすめ買い物スポットを教えて下さい。ブランドものには興味はあまりないのですが、雑貨、家庭用品、洋服(高くないもの)などの日用品で、ちょっと変わったもの、デザインのいいものを探すのが大好きです。
答え:
私もスイス全土を知っているわけではないので、知っているかぎりでお答えします。趣味というのもありますので、個別の店に関する紹介は参考程度と考えて下さい(2005年現在)。
チューリヒ…………
参考地図はこちら
上の参考地図、あるいはお手持ちのガイドブックの地図をご覧下さい。グロスミュンスター(観光スポットのひとつです)の近辺に「ミュンスター通り Mu¨nstergasse」「オーバードルフ通り Oberdorfstrasse」という通りが見つかると思います。それらの通りを中心とする一帯はもともと、アンティーク/美術品の店や画廊が立ち並ぶ界隈として、物好きには割合よく知られています。
しかしここはアートの他にも、学生向けの各種ショップ、サブカル系の店、あるいはマダム向けの洒落た家庭用品店、ファッションの店など、安物から高級品まで、地元御用達の様々な店が集中する一大ショッピングゾーンです。また、このあたりは先祖がイタリア語圏から移住した人が多かったそうで、その名残のイタリア食品店や、職人が自作する靴店なんていうのもいくつかあります。気軽に入れるカフェ、レストランも多数あり、各ガイドブックがなぜここを紹介しないのか理解に苦しむ、超おすすめ★★★★★スポットです。

・これまでに数人の方からお問い合わせがあったダンス・バレエ用品専門店、 バレエショップ ballett-shopもこの区画にあります(Ro¨mergasse 4 am Limmatquai, 8001 Zueich ちょっとわかりにくい急坂の小路です)

チューリヒではもうひとつ、メインストリート・バーンホフ通りから枝分かれする「レン通り Rennweg」という通りの奥もおすすめです。ここで良さそうな脇道(たいてい急坂の小路)を見つけたら気ままに切り込んでいくと、洒落た店が沢山みつかります。こちらはやや高級ですが、日本では業界関係者にしか知られていないようなブランドの出店も多く、人に先んじて何かを発見したいという人は必見のゾーンです。
ただ、この界隈は複雑に入り組んだ小路がとても魅力的な反面、方向オンチの人は同じ所をグルグル回ってしまったり、結構笑い話を聞かされています。ゾーンが狭いので迷子になる心配はありませんが、ツアーなどで時間制限がきつい場合は要注意です。

ベルン…………
詳細は特製地図、または地元おすすめの店をご覧下さい。狭いエリアにショップが集中しているので、時間がない方はベルンでショッピングすることをおすすめします。

特製地図には出ていないのですが、個人的に ビジュー Bijou という店をのぞいてみることもおすすめします。スイスの若手デザイナーなどの服を集めたショップで、地元でもかなり人気です。ストリート系なのか保守系なのかよくわからない無節操さがいかにもスイスらしく、値段も客の年齢層も下から上まで様々です。メインストリートの「マルクトガッセ Marktgasse」にあります(特製地図上「C&A」の向かいになります)。

トゥーン…………
ガイドブックに紹介されている、旧市街のテラス張り出し式メインストリートは、可愛い雑貨店やアクセサリー工房などが多く、ベルンあたりからわざわざ買い物に来る女性も多いです。また最近、旧市街に接したトゥーン川沿いにこじんまりしたショッピングモールができたのですが、ここもセンスのいいものが結構見つかります(人に連れて行ってもらったので場所を詳述できないのですが、小さい町なので迷うことはないと思います)。
駅から旧市街に向かう何の変哲もない道沿いにも、オリジナルデザインのちょっと面白い服や靴、小物を置いている店がいくつかあるので、気が向いたらのぞいて見るといいでしょう。
町の規模の割にショッピングの甲斐があるところです。可愛いトゥーン城などの観光スポットもあるので、インターラーケンやグリンデルワルト、ウェンゲンあたりに滞在しているなら、一度行ってみることをおすすめします。
ビール/ビエンヌ…………
ビールは先端産業の町という性格が強いのですが、当然のことながら、それに附随して多くのデザイナーや建築家、若手アーチストがここにアトリエを持っています。そういう消費者を抱えているというわけで、新市街のメインストリートから旧市街の入り口にかけて、普通の地味な商店に混じって面白いショップが点在し、のぞいて見る価値があります。不思議な事に、ビールのショップの多くはディスプレイにまったく無神経で、一見全く入る気が起こらないような所に限って面白いものが見つかります。そのへんのヒネクレ具合も、いかにもアーチストの町です。
ここはどちらかというと万人向けではなく、時間がたくさんあって目も利くという人におすすめします。
その他…………
・ジュネーヴ
旧市街の坂の多いエリアに、デザイナーものの文房具、家庭用品店、強烈な個性を放つ雑貨店などが見受けられます。筆者はここに関しては一度のぞいただけなのですが、かなり注目度の高いエリアのように思えます(そのときは服地や各種素材を買い求めたのですが、実際に短時間でかなりの戦果があがりました)。
・バーゼル
中心部のメインストリートよりも、住宅地の中の何の変哲もないような所に、時々面白い服地店や雑貨店、個性的な食品店があるのですが、エリアが広すぎるのが唯一にして最大の欠点です。
・ルツェルン
カペル橋を渡り切った向こう側の旧市街に時折個性的な店がありますが、町の規模の割にショッピングの掘り出し物度は低いように思えます。
・サンクト・ガレン
都市の規模の割に、割合平凡なものしかない印象です。以前は旧市街近辺に割合面白い服地店や雑貨店がありましたが、最近は低調です。
・クール
イマイチ以下です。以前はもう少し面白い店や、個性的な書店などもあったのですが……。グラウビュンデン州びいきの筆者としては、もっと健闘してほしいところです。
・ブリーク
さらに悲しい。ツェルマットあたりに宿泊していてちょっと気の利いた買い物がしたいときは、もしかしたらブリークよりサース・フェーに行く方がいいかもしれないと思う今日この頃です。
(余談ですが、個人的に宿泊はツェルマットよりサース・フェーの方がおすすめです。雰囲気が若い!)
・ルガーノ
町の中心部へ下りて行くと、アルプスの北とは全く違った、チマチマ・ニギニギした面白い店がかなりあります。また、いわゆるチェーン店の百貨店も、品揃えの傾向が北とはかなり違います。ショッピング的に一見の価値は十分あり……というか、筆者は友人と、ここでガラクタ的買い物三昧をした経験があり、大戦果でした。
その他の都市に関しては、残念ながら人にお伝えするほどの情報を持っていません。
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スイスは田舎の小さな町にも、オーナーが自分のセンスで商品を集めたり、あるいは職人やデザイナーが自分で開いている、なかなか良い店・面白い店が散見されます。「入りにくい」などと思わず、興味があったらぜひ一声かけてのぞいてみて下さい。また、ここでは特に取り上げませんでしたが、サン・モリッツやダヴォスのような長期滞在型の大規模リゾート地は、やはり高級品から安いものまで面白い店が結構あります。

それから、スイスではいわゆるチェーン店も、仕入れと商品のセレクトはそれぞれの店の責任者に一任されていることが多く、所在地によってかなり品揃えが変わります。「ここは○○で入ったから」と考えず、町ごとに一応のぞいて見ると良いでしょう。
例えば、ガイドブックに必ず出て来る「ハイマートヴェルク Heimatwerk」は、よく見ると店舗によって、全国からこだわりの逸品を集めてみたり、現地のデザイナーたちの作品を集中的に扱ったりと、かなり性格が変わります。単なる郷土みやげ店とは一線を画した店鋪も多く、スイス人も用事で他所の町へ行った際など、よく立ち寄っています。

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質問:
仕事の都合で夏休みがずれ込み、10月にスイスに行くことになりました。しかしガイドブックを見ても、夏や冬に関してのことは詳しく書いてあるのですが、それ以外の季節についての情報があまりありません。特に知りたいのはお天気のことなのですが(服装や荷物に関係してくるので)、どうしたらよいでしょうか?
答え:
別に秋に限ったことではありませんが、出発の10日くらい前から現地の天気を継続的にチェックしておけば、行き先の天気のおおまかな傾向はわかると思います。最近はたいていの観光地の公式HPに、その日の天気と短期間予報がアップされていますので、それらを参考にして下さい。また、MeteoSwissでは、総合的な気象情報が見られます。
(スイスの天気予報の精度はそれほど高くありませんので、そちらはあまりアテにせず、自分で一定期間の推移を観察して傾向をつかむ方が実用的です)

どの季節でも言えることですが、スイスほか内陸部ヨーロッパでは昼夜および好天時/悪天時の気温の落差が非常に激しいので、どんな気温にも対応できるように服装を工夫しましょう。また、山間部では年間を通して(真夏も!)降雪の可能性があるというのを覚えておいて下さい。

秋の天気の概観に関しては旅の季節・秋に多少触れていますので、そちらもぜひお読み下さい。

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おスイス
質問:
はじめての個人旅行で、9日間でチューリヒ〜グリンデルワルト〜ツェルマット〜サンモリッツ〜ベニス(2泊)〜ミラノという列車の旅を考えていますが、本当にこれで大丈夫なのか、時間的なものをどう見積もったら良いかわかりません。ズバリ、プランニングのコツを教えて下さい。
答え:
プランニングのコツの最たるものは、あまり駆け足にならないように気をつけることです。推測するに、ツアー旅行のパンフレットを参考にコース設定をなさったのではないかと思いますが、それはやめましょう(ツアーは主に専用バスを使いますので迅速な移動が可能ですが、列車ではそういうわけに行きません)。

さて、実際のプランニングですが、列車での移動時間はすぐに割り出せますので、問題は訪問地の滞在時間の算出です。最低でもガイドブックの標準見学時間よりプラス1〜2時間程度は長めに設定しましょう(もちろん長ければ長いに越したことはありません)。また、あちこち見たい気持ちはあるでしょうが、ことスイスという土地に関してだけは、毎日宿泊地を変えるのはかなり考えものです。できれば1ケ所に連泊する日を設けましょう。

このプランの場合は
●ほぼ毎日長距離移動をするようになってしまう
●ハイキングや登山鉄道乗車など、まとまった観光ができる時間があまり見込めない
……ということで、はっきり言ってスイス国内の部分はペケです。グリンデルワルト、ツェルマット、サンモリッツのうち、最低でもどこか1つ削るのが無難のように思えます。

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質問:
この夏フランス〜スイス〜イタリアと旅行するのですが、両替の手数料や手間を考えると、できればユーロだけで済ませたいです。ガイドブックにはスイスでもユーロが使えると書いてありますが、ガイドブックのそういうのって、実際には高級ブランド店とか4ツ星以上クラスのホテルだけのお話だったりするじゃないですか。実際の所はどうなんですか?
答え:
スイスで日常使われている通貨はスイスフラン(SFr.)ですが、ユーロも使えます。特に最近は小さな個人商店でもたいていユーロが使えるようになりました。

しかし、国境から遠く離れた地域の個人経営の小さい商店やホテルでは、ユーロ払いだとかなり高くつくような不均衡なレートもときどき見受けられます。多額の支払いの時には事前に金額を比較した方が無難です。

なお、いくらユーロが使えると言っても、さすがにソーセージ屋台や市場では嫌がられたり断られたりしますので、買い食いが好きな方は多少スイスフランを持つことをお勧めします。

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質問:
海外旅行の経験はなく、この夏新婚旅行で行くスイスがはじめてになります。実は以前『海外で差別された事がありますか』という、海外駐在日本人の方が書いた本を読んだことがあって、ちょっと恐くなってしまいました。スイスの現状はどうなんですか?
答え:
筆者の個人的経験では、少なくともスイスをはじめ海外で、日本人だという理由で珍重されたことはあっても、不愉快な思いをさせられたことは一度もありません(ただし筆者の行動範囲はそれほど広くないのですが)。また、考え方を100%変えれば、差別的感情というのはどこでも普遍的に存在しうるものです。例えば「美しい女性・Aさん」は、ある場面では称賛され、別の場面では敬遠〜差別されるかもしれません。

……観念論ばかり言っているときりがないので、スイスの話に戻りましょう。念のためスイスに33年間住む友人にも尋ねてみましたが、彼女もまったく心配ないと言っていました。それにしても新婚旅行と言うからにはお若いのでしょうから(しかもあなた男性でしょ)、そんなことでビクビクしているようではいけません。

「差別された経験がある」と言う人たちは、実際にはいわゆる人種差別をされたのではなく、その人が相手のイヤがることをしたから嫌われた、ということに気付いていないケースも多いようです。たとえば、スイス在住の筆者の友人によれば、「差別をされた」と言う日本人に9割方共通する行為は「ハナをすする」だそうです。

そんなわけでこの手のつまらない行き違いを減らし、世界平和に貢献すべく(?)びっくりマナーというページも設けました。おヒマなときにでもぜひお読み下さい。

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質問:
「セントポーリアミニ温室」見ました。旅行中のセントの世話はどうしていますか?うちには100鉢ほどありますが、これがいつも悩みの種です。
答え:
あんな地味なページを発見していただきありがとうございます。これは同好の間柄でなければわからない悩みですよね。私の場合は開花中の花と開花直前の蕾を全部除去し(T T)、たっぷり水をやって、丸ケース(注・セントポーリア栽培用品のひとつ)かポリ袋に入れて完全密閉してしまいます。実際には家に丸ケースが3つしかないので、一番弱い物だけそこに入れ、あとは全部ポリ袋です。こうして夏だったら家で一番涼しい北側の風呂場、冬だったら南側の部屋の直射日光が当たらないところに棚を持って行ってしまいます。これで一ヶ月程度は大丈夫です(それ以上は未経験)。夏涼しく冬はそこそこ暖かい千葉県という場所柄も大きいのでしょうが、今までこれで枯らしたことは1度もありません。

密閉状態を終了する時は、徐々に外気に慣らすようにします。もっとも夏は一気に袋から出してしまっても、その後ほとんど障害は出ません。難しいのは冬で、こちらは外気慣らしを1週間以上かけて慎重にしないと悲惨なことになります(保温ケース内の株はあまり気を遣わなくても大丈夫です)。
昨年の冬、袋詰めにした株をいくつか、春まで袋に入れっぱなしにしてみました。多少リングスポットはできたものの、冬にありがちな葉の痛みも全くなく絶好調でした。ただしポリ袋の行列は部屋の美観をはなはだしく損ねます。

※この方法は多湿状態に強い植物にのみ有効です。サボテンや多肉植物などには絶対に応用しないで下さい。

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