レーティシュ鉄道ツェルネッツ駅からミュスタイア行き郵便バスでオッフェン峠を越え、小さな村・チエルフ Tschierv でバスを降りる。バス停はTschierv, Scoula(学校前)がハイキングコース入口に近いが、Posta(郵便局)でも構わない。
バスを降りたら峠に向かって少し戻り返すと、右手に枝分かれして牧草地に入っていく小道があるので、そこを入っていく。小道沿いに細長く伸びるチャスラス Chasuras の小集落を通り抜け、15分足らずで林道への分岐に到着する。ここから先、上り坂が嫌な人はそのまま舗装道路を歩き続けてリュ Lue の集落まで行こう。
ここから先は少々山登り。アルプ・チャンパッチュ Alp Champatsch まで登る人は、舗装道路を捨て、左手に枝別れする林道に入る。アルプ・チャンパッチュまでは標識の「Pass da Costainas / Funtana da S-charl」を目標にすると良い。100mほど歩くと再び分岐点があり、右手から細いハイキングコースが伸びているので、その道を登り始めよう。
見晴らしのいい、明るい落葉松林の中のダラダラ坂を登ること30分前後、ミュスタイア谷の眺めや小動物たちの可愛らしい姿にもそろそろ飽きてきた頃、道は小さな沢とぶつかる。沢を渡らずに、流れにそってそのまま登りつめて行くと、突然目の前がパーンと開け、半ば草にうずもれたような羊背岩が点在する明るい草原に飛び出す。やがてアルプ・チャンパッチュの小屋が見えだすので、そこまでのんびり歩くと良い。
アルプ・チャンパッチュの小屋は見晴らしがよく、軽食も取れる。夏場は地元の楽師の演奏も加わったりしてかなり賑わう所。また、ここは国立公園/オッフェン峠方面からの下山者がよく利用するため、情報収集に最適で、小休止には持ってこいの場所だ。
ここからは次の目的地・リュの集落に向けて歩き出す。リュまでの道はよく整備された林道の緩やかな下り。眺めの良い道だが、割合頻繁に車両が行き来するので注意。30分ほどで集落に到着する。
リュの村は、スグラフィット(壁に塗った石灰をひっかいて描く紋様)が施された家並みが並び、村の中を放し飼いのニワトリが駆け抜けるようなのどかな小集落。ここから郵便バスでオッフェン峠街道の町・フルデラ Fuldera へ下りることもできるが、この項ではこのまま歩き続けよう。
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