足で歩くスイス・小さな村 中央の山岳地域とヴァリス
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小さな村 小さな町 中央の山岳地域とヴァリス
イセルトワルト Iseltwald
標高580m

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(星3つが満点)
滞在向け度 ★★★
観光向け度 ★★
交通便利度
アクセス
最寄り駅:インターラーケン・オスト駅
 駅からイセルトワルト行き郵便バスで約25分(バスの始発はインターラーケン・ヴェスト駅)。
 夏季にはブリエンツ湖の定期船が使える(インターラーケン・オスト〜ブリエンツ間)。便数こそ少ないが、これが最高!

こんな所
 ブリエンツ湖南岸に突き出した岬に位置する、夢のように美しい夏の村。窓辺の花のアレンジも、他の村ではちょっと見られないようなセンスのよいものがある。これは誰かが演出を監督しているのだろうか?急がない旅、ゆっくりしたい旅なら、一度は滞在してみたいところ。ここを起点に、ギースバッハ(ここのホテルもロマンチック)などあまり日本人が行かないような所をのぞいて見るのも、リピーターならではの楽しみといえる。

 アイガー・メンヒ・ユングフラウをメインに歩きたい、という人には多少交通が面倒かもしれないが、レンタカー利用の旅なら、無条件におすすめできる。俗なインターラーケンに予約を入れる前に、ぜひご一考を。


その他
 村にある商店は雑貨店ていどだが、インターラーケンまで出ればミグロのハブラシから高級ブランド品のアクセサリーまでなんでも揃うので、そのへんで滞在中に不自由することはない。
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Iseltwald
手持ちにいい写真がなかったので、ぜひ
公式HPをご覧下さい。すてきです
    
ヤウン Jaun
標高1015m

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(星3つが満点)
滞在向け度 ★★
観光向け度
交通便利度
アクセス
最寄り駅:フリブール駅、ビュール駅、ボルティゲン駅
いずれの駅からも大体1〜2時間おきにバスが出ていて、乗車時間は45分〜1時間。

こんな所
 フリブール、ツヴァイジンメンやグシュタード、グリュイエールなどメジャーな地域に囲まれた中にそっと佇む、とっておきの場所。広々とした明るい谷あいにあるヤウンの村は、何もせずにボーッと過ごし、思い立ったときに歩きに出かける、なんていう夏休みにもってこいの場所。

 日本のガイドブックではあまり紹介されていないが、実はこの地域はトレッキング/ハイキング天国。激しい侵食作用で独特の風貌になった山々と、ゆったりした牧草地や森のコントラストが、素晴らしい風景を形作っている。


その他
 正直に言うと公共交通機関の旅にはちょっと不便。村から鉄道各駅を結ぶバスの本数そのものは多いが、町に出るにしても、近くの観光地をめぐるにしても、意外に使いにくいダイヤ編成になっている。ゆったりと時間のとれる長期滞在向け。

 ちなみにレンタカーの旅だったら無条件におすすめ。ヤウン峠などドライブ向けのコースにも恵まれている。

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Jaunpass
    
アンデルマット Andermatt
標高1440m

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(星3つが満点)
滞在向け度 ★★★
観光向け度
交通便利度 ★★★
アクセス
最寄り駅:マッターホルン-ゴッタルド鉄道(旧FO)アンデルマット駅

こんな所
 氷河特急の停車駅ということでたいていのガイドブックにも登場し、ここで1〜2泊くらいする日本人も結構いる……が、ここは実は長期滞在にこそ真価を発揮する土地だ。なにせ交通の便があまりにも良すぎる。のんびりした村のくせに、東西南北どちらに移動するにも超便利。トレッキングの基地として良いのはもちろんだが、天気が悪い日などは、その気になればミラノに日帰りだって可能。さすがはヨーロッパの交通の要衝、ゴッタルド・トンネルの真上に位置するだけのことはある。

 ゴッタルド・トンネルといえば、オーバーアルプパスから少々登れば、トンネルなどの要衝を監視する軍事施設を見ることができる。そういえば、アンデルマットの町そのものも朝夕は若い兵隊でいっぱいだ。更に、驚いたことにフルカ側の山中には地下軍事施設があるということを地元の人から聞いた。新聞記事などでしばしば語られる「永世中立国・スイスの別の顔」を垣間見ることができるという点でもお勧め。


その他
 多数あるホテルや貸しシャレーの需要を満たすために、村にはちょっとしたスポーツ店、雑貨店、土産物店などのほか、コープなんかもある。パッと行ける距離に大きな町はないが、長期滞在でも案外不自由しない。

 個人的な好みではあるが、その昔ゲーテが宿泊したというここの某ホテルは、かつて筆者の「3大スイスお気に入りホテル」のうちの1つだった。スイスの家族経営ホテルのお手本といった雰囲気で、スタッフも感じが良く、朝晩の食事もおいしいかった。
(もう何年も宿泊していないので、一応「3大」から除外……2009年)

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Andermatt
Andermatt

Andermatt

Andermatt
         
ブリーク Brig
標高680m

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(星3つが満点)
滞在向け度
観光向け度
交通便利度 ★★★
アクセス
最寄り駅:ブリーク駅

こんな所
 電車でツェルマットに行く人なら、必ず1度は通過する町。乗り換えの時に電車をずらして1時間くらい融通し、ちょっとブラブラしてみる価値はある。17世紀にアルプス越えの貿易で富を築いたシュトックアルパー家の城は駅から歩いて10分ちょっと。イタリア風の回廊に囲まれた中庭を見ると、まさしくここは文化の境界線。次はいよいよシンプロン峠の向こうへ行きたくなってくる。

 6月など天気が不安定な時期にスイスに行くのだったら、この町に滞在するのも筆者のおすすめ。ツェルマットやサース・フェー、ゴムスはもちろん行動範囲だし、その気になればミラノだって2時間足らずで行ける。ただ、あまり長居すると町そのものにちょっと飽きるかも。


その他
 筆者の知り合いのスイス人によれば、ブリークのイメージは「洪水」。そういえば、ブリーク駅前でFO/BVZの電車が土砂に埋まっちゃっている映像を、日本のNHKニュースなんかでも数年に1度は見るような気がする。駅のすぐ裏を流れるローヌ川は暴れ川。
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Brig
         
シュタルデン Stalden(Saastal)
標高800m

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(星3つが満点)
滞在向け度 ★☆
観光向け度
交通便利度 ★★★
アクセス
最寄り駅:マッターホルン-ゴッタルド鉄道(旧FO)シュタルデン-サース駅

こんな所
 いかにもヴァリスらしい、深い谷底の「半日村」。古い集落や石橋、村の背後に迫る岩壁に半ば埋もれるように建てられた礼拝堂など、鄙びた味のある村のたたずまいはまあまあ良しだが、かなり寂れ気味。立地のせいでモルゲン/アーベントロートは望めない。サース・フェーとツェルマットへ向かう幹線道路の分岐点にあたるため、村を通過するクルマやバスが多く、なんとなく落ち着かないのも問題。ただ、そんなわけで交通の便がいいというのは何物にも替えがたい。ツェルマットとサースフェーあたりの観光はひとしきり済んでいるというリピーターの滞在、特にハイキング/トレッキングの基地としてはおすすめ。

 シュタルデン駅から小さなロープウェーで10分ばかり上がったシュタルデン・リートの村(標高1100m前後)に泊まるのは一興。フィスプ川の深い谷底を一気に見おろす急斜面に貼り付いた村で、雰囲気抜群。こちらなら滞在向け度 ★★。ただし足腰超頑強で高所恐怖症の気が全くない人向き。凄い所ですよ!


その他
 使える商店はあまりないが、小さなミグロがあるので日用品くらいはそこで賄える。また、電車かバスでちょろっとブリークまで出れば、たいていの用は済む。
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Stalden(ried)
Andermatt

Andermatt

Stalden
         
シンプロン Simplon
標高1472m

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(星3つが満点)
滞在向け度    
観光向け度 ★☆
交通便利度 ★★
アクセス
最寄り駅:ブリーク駅、イタリア国鉄イゼッレ駅

こんな所
 常にイタリアの空に恋い焦がれるのがドイツ語圏文化の特徴だが、その影響か?ドイツ教養小説の愛好者がたいてい一度は訪れたがるのがシンプロン峠。しかし、多くの人は峠のてっぺんの鷲の像と、有名な僧院だけ見物して終わりにしてしまうようだ。しかしここまで来たのなら、峠を越えてアルプス南麓の宿場町・シンプロンも見物しよう。

 鉄道開通前はアルプスの北と南を結ぶ大街道の宿場町として峠越えの人々で賑わったシンプロンの町も、現在ではその役割を終えてひっそりと静まり返り、19世紀がそのまま凍りついたような家並みがなんとも言えない情緒を誘う。時間があれば峠の頂上から町まで、峠の風景や古い村を見物しながら歩いてみるとよいだろう。所要時間は2〜2.5時間(2004年春頃ミニガイド掲載予定)


その他
 ブリーク方面へ帰るときは峠をバスで戻り返すのではなく、一旦イタリアに抜けて鉄道に乗りかえ、シンプロン・トンネルを経由するルートがおすすめ★★。シンプロンの町からイタリア国鉄イゼッレ駅の間は、ポストバスならぬワゴン車利用のポストカーが1時間ほどで結んでいるが、左右から断崖絶壁が迫る峡谷をゆくドライブで、なかなか愉快だ。

 なお、このルートは国境を越えるのでパスポート必携。シンプロン〜イゼッレ駅〜ブリーク駅間はスイスパスが使える。
(注)ポストカーは要予約。発車の1時間前までに電話か郵便局の窓口で申し込めばよい

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Simplon
Andermatt

Andermatt

Simplon
         
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