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東坡肉(豚の角煮)の作り方


主な角煮料理に紅焼肉と、この東坡肉があります。
紅焼肉は一般的な家庭料理で辛味があり、カップラーメンでも紅焼肉味のものがあるほどです。調理方法は調味料と水で汁がなくなるまで煮込み、最後は揚げじゃがいもや、にんにくをあわせて炒めます。

一方、東坡肉は、北京の食堂ではお目にかかれないような高級な料理で、調理方法は水を加えずに調味料と酒だけで煮込み、汁は飛ばしません。
バラ肉を使うので、余分な脂を出来るだけ落とすのがカギになり、あとは時間はかかりますが、火加減に気をつければ比較的簡単に出来る料理です。

東坡は昔の政治家の名前です。
彼が客に振る舞うのを忘れてしまい、水に入れっぱなしにして膨らんでしまった豚肉を、捨てるのはもったいないと調理してみたことから広まったという、言わばエリートの失敗から生まれた料理です。  
長崎しっぽく料理の東坡煮や沖縄のラフテーの原型となりました。


材料

豚ばら肉ブロック 700g位
(なるべく脂身の薄いもので、赤身と脂身が交互に層になっているもの)

葱 1〜2本
生姜 50g

調味料

醤油 150cc
酒 250cc
砂糖 100g
オイスターソース 大さじ2
酢 大さじ1


下ごしらえ

@葱は丸ごと1本を10センチぐらいのぶつ切りに、生姜は包丁で叩いてから薄切りにします。

A豚ばら肉はブロックのまま、沸騰したたっぷりのお湯で5分茹でます。(アクと、余分な脂分を取り除くため)

B茹で上がったら軽く水洗いをしてアクを取り除いておきます。

Cバラ肉の脂身を上にして、4cm角ぐらいの大きさになるように切込みを入れます。(赤身の部分で肉がかろうじてつながっている状態)





肉に焼き目をつける

@中華なべに薄く油を敷き、脂身の部分を下にして中火でじっくり焼きます。

A鍋を回してゆすりながら、キツネ色になるまで焼き目をつけます。

こうすることによって見た目がよくなるばかりでなく、煮崩れを防ぎ、余分な脂を落とすことも出来ます。



煮込む

@小さ目の圧力鍋に葱と生姜を敷き、肉の脂身を下にして入れて、全ての調味料を入れます。
この時に、肉の7〜8分目ぐらいまで汁がかぶっていたらOKです。鍋が大きすぎて汁がかぶらない場合は、肉を増やすか調味料を足してください。

A蓋をして、蒸気が出てくるまで強火で温めます。

B蒸気蓋がシュルシュルと回りだしたら極弱火にして、蒸気がスーっと抜けるくらいの状態で1時間煮込みます。

C1時間煮込んだら火を消し、圧が抜けるまで待ちます。



蒸す

@煮込んだ肉を鍋から取り出します。
かなり柔らかくなっているので、箸などで取り出さずに皿などで肉を押さえつけてから鍋を逆さにして取り出します。

A蓋付きの容器に入れ、沸騰した蒸し器で30分蒸します。

B煮込んだときの汁に水溶き片栗粉でトロミをつけ、蒸しあがった肉にかけると見た目がいっそうよくなります。

※時間が経つと脂身が白く固まってしまうので食べる時間を見計らって蒸します。レンジで加熱すると形が崩れますし、蒸すことによって再度脂を落とす事ができます。


蒸さずにグリル(強火)で焼いても、脂が落ちて香ばしく仕上がるのでおすすめです。

この料理は油っこいために、中国でも若者の間では好き嫌いがはっきりと分かれますが、この肉ひと切れだけでご飯が何膳でも食べられるほどおいしいです。

本当は圧力鍋を使わずに土鍋の蓋を小麦粉の生地で密封してあめ色に煮込みます。(2時間ほど)

強火の圧力鍋で煮込むと短時間で柔らかくなりますが、味も色も染み込みませんし、また、普通の鍋で煮込むと汁が蒸発してしまいます。

中国の醤油は老抽というたまり醤油のような色の濃いもので、更にカラメルで着色する場合もありますが、色はともかく日本の醤油だけでもおいしく作れます。

残った汁は煮物などに使えますし、白く固まったラードは炒め物などにも使えます。