目次へ ホームへ
▲前のページへ ▼次のページへ
料理レシピ
鶏むね肉のほうれん草詰め
スイス人の知人に言わせれば、もっとも典型的なスイス家庭料理。いわゆる伝統料理ではないので、スイス料理専門店で見かけるようなことはないが、スイスの住宅地を昼食時や夕方歩いていると、まさしくこれと同じ香りが漂ってくる。意外に簡単で、切り分けたときに見栄えがするので、人が集まるときなどにどうぞ
    

材料(3〜4人分):

とり胸肉 大2枚、皮や脂はきれいに取り去っておく
ほうれん草 1/2〜1把 さっと茹でてアクを抜き、水気を絞ってから長さ2〜3cmくらいに切っておく
たまねぎ 1/2個 薄めにスライスしておく
にんにく 1片 みじん切りにする
グリュイエールチーズ 30〜50g
日本酒 100cc(普通は辛口の白ワインを使うが、日本酒を使ったほうが無難。料理酒はダメ)
塩、こしょう、ナツメグ 適宜
サラダ油 適宜
生クリーム 100〜150cc
パセリ、チャイブなど好みの香草 (飾り用に。なくてもよい)
ヤキトリ用の竹串か、長めの楊枝 数本

1. まず、詰め物を作る。フライパンに軽く油を敷き、みじん切りのにんにくを軽く炒める。香りが出てきたら、そこにスライスした玉ねぎをいれ、しんなりするまで良く炒める。更にほうれん草も加えてさっと混ぜ合わせ、塩、こしょうで薄目に味をつけたら火から下ろす

2. 素手で扱える程度の温度まで適当に冷まし、刻んだグリュイエールチーズを入れて良く混ぜ合わせ、好みでナツメグを少々ふって香りをつける。この段階でもう一度味見をしてみて、少々味が薄いようだったら少し塩を足してもよい。これで詰め物が準備できた

3. まな板の上にとり胸肉を平らに置き、肉の脇からそっと包丁を入れ、袋状になるように中を切り開く(よく切れる包丁を使えば簡単にできる)

4. 切り開いた肉に、2. の詰め物を詰めていく。できるだけみっちりすき間なく詰め、最後に竹串か楊枝で口の部分を刺し留めて閉じ、詰め物がはみ出さないようにする。その後、肉の表面に軽く塩を振り、コショウはたっぷりまぶす

5. フライパンに軽く油を敷き、最初に少し強めの火で1〜2分焼いて肉の表面に焼き色をつける。ひっくり返して両面がきつね色になったら、日本酒を一気にかけまわし、フタをして弱火で15〜20分ほど蒸し焼きにする。途中で1〜2度裏返し、酒がすぐに蒸発してしまうようだったら適当に足せばよい

最初に肉の表面をさっとあぶり焼く。
写真はちょっと詰め物がはみ出し気味だが、気にしない

    

6. 肉に細い箸か竹串を刺してみて、透き通った汁が出てくるようだったら焼き上がり。肉を皿に取りだしたあと、フライパンに残った焼き汁に生クリームを注ぎ、よくかきまぜながら1分ほど強火で一気に煮詰め、ソースを作る。この段階でソースに好みのハーブやスパイス(エルブ・ド・プロヴァンスなど)を加えてもよい

7. 皿に盛った肉から竹串(楊枝)を取り去り、好みの飾り付けをする。いただくときは3〜4センチくらいの厚さに切り、切り口が見えるようにめいめいの皿に取り分けるときれい。ソースをかけて召し上がれ


コツ:
・とり肉は必ず胸肉を使い、皮や余分な脂身をきれいに除去して料理するのが美味しく作る決め手
・材料の所にも書いたが、酒は白ワインではなく日本酒を使ったほうがよい。日本で売られている白ワインは加熱したグリュイエールチーズとの相性が悪いものが多く、おかしな味になってしまうことがある
(そんなわけでチーズフォンデュをする時もワインには要注意。甘口は厳禁。辛口でも果実臭…特にマスカット臭が強いワインは×)
・ソースに生クリームを使わず、代わりに同量の日本酒を足し、煮きってアルコールを飛ばしてから、少々の醤油とたっぷりのレモン汁を使って調味するのも、さっぱりとしてなかなか美味しい
・付け合わせには牛乳を足して柔らかめに練ったマッシュポテトや、幅広のパスタが非常に良く合う
※この料理は読み物 スイスの食卓から(2)にも登場します
▲前のページへ
▼次のページへ
目次へ
ホームへ