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おみやげを郵便小包で
  
 旅も終わりに近づくと、あちこちで買い集めたお土産で荷物は膨れ上がり、なかなか大変なことになってくる。また「もうトランクに入らないかも」と、買い物をあきらめてしまう方もいるかもしれない。そんなあなたのためにある?郵便小包。「でも、言葉もよくわからないし、どうしたら……」という超初心者の方に、スイスから日本への郵便小包の出し方を具体的にお教えしよう。なお、ドイツ、オーストリア、北欧なども、一部を除けばだいたい同じような段取りで国際小包が出せる。
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まず最初に日本でお勉強……

 そもそも日本からでも国際小包など1度も出したことがない方、そんなあなたはまず日本の郵便ホームページを見て、国際小包の種類などのあらましを一応頭に入れておくとよいだろう。割安の「小型包装物」「印刷物」、超特急の「EMS」など、スイスを含め、ヨーロッパの多くの国の国際小包のシステムは日本とだいたい変わらない。
 

そして、これぞ超ウラ技

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 近くの郵便局(日本の!)に行き、日本の国際小包用の書類をもらって来よう。
 
その際に必ず「大きい荷物用」と告げること。ゆうパックの宛名ラベルが大判になったような感じの、複写紙が数枚重ねになったものをくれるはずだ。そうしたら、その1枚目を切り取ってサイフの中にでも忍ばせておこう。これはスイスで国際小包用の書類を書く時に、そっくりそのまま辞書代わりに使え、非常に役に立つ。

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TIP:
郵便局の窓口で名刺大の小さいシールをくれるようだったら、それは小型包装物用のもので、上記の書類とは別物だ。そんなときは「これではなくて大きい荷物用のを下さい」と再度言うこと。国際小包の取り扱いが少ない郵便局では、局員さんも間違えることがあるので注意

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スイスでいよいよ小包を出す! おスイス

1. まず小包用の段ボール箱「ポストパック」を購入する

 どこの郵便局でも、日本のゆうパックのような専用パッケージ「ポストパック」を販売している。接着テープもセットになった親切設計。サイズや形状はNo.0から7まで数種類あり、見本品を展示してあるので、適当なのを選んだら、窓口で「ポストパックNo.○を」と言えばよい。

 また、発送する荷物の総重量が2kgを越えそうなときは、同時に国際小包用の書類(エティケッテ/エティケット)を貰っておくことも重要だ。もしも窓口の人に言葉が通じなかったら、例の日本の国際小包用書類を見せ、「これと同じ物を下さい」というようなことを身ぶり手ぶりで示せば、すぐに理解してもらえる。

 ちなみに2kg以下の小さい荷物の場合は、書類の記入はごく簡単なので、荷物を発送する時にその場で記入すれば充分だろう。
小さい小包の書類の書き方はこちら

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TIP:
段ボール箱は買わずに、どこかで適当なのを貰って使ってもよいが、スイスのものは日本にくらべて弱く、筆者の経験から言ってもお勧めできない。

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2. 荷造り

 ポストパックを組み立て、中に荷物を詰めよう。よけいなお世話かも知れないが、夏場の小包にチョコレートを同封するといったような無謀な真似はしないこと。また、長い道中では相当に乱暴に扱われるので、壊れ物は入れず、汚したくないものはビニールできっちり包んでから詰めたほうがよい。

 中身がギュウギュウ詰めになってしまった時は、付属のテープの強度だけでは不安なので、その辺のスーパーで荷造りテープを買って補強しておくといいだろう(ホテルのフロントでテープを貰うという手もある)。ちなみに輸送中のある程度の破損や、税関で開封した痕は、ちゃんと補修してもらえる。いずれにしてもスイス・日本とも、郵便物の取扱いは他の国に較べ丁寧なほうなので、あまり神経質にならなくてもよいだろう。

 荷物の送り先はこの次の項目で説明する書類に書き込むのだが、他にも小包の本体にマジックペンで「Japan」という文字と日本語の住所氏名を書いておくとよい。また、荷物の脇腹あたり2ケ所くらいに、日本語で大きく「別送品」という文字も入れよう。そうすると、荷物が日本の税関を通過するのが早くなるそうだ。
その他詳しくは右の図を御覧あれ。

    

3. 書類を作成する

 ポストパックを購入したときに貰った書類に、必要事項を記入する。

 まず、書類の一番上に書いてある項目から、小包の種類を選ぶ。一番安い「Economy エコノミー」(所要日数10〜20日間程度、日本の「SAL便」に相当する)か、スピード・値段とも日本の航空便程度にあたる「Priority プライオリティ」(所要日数4〜10日間程度)のどちらかを選び、チェックマークをつければよいだろう。

 次にその下に続く欄に、送り先/送り主、荷物の内訳、産地、金額の詳細などを記入していく。一番肝心かつややっこしい部分だが、このとき、日本の郵便局で貰っておいた国際小包用書類が役に立つ

 スイスの郵便局でくれる書類は当然、フランス語/ドイツ語/イタリア語/英語だけで表記されている。しかも、日常使わないような単語が多いばかりか、単語は知っていてもなおかつ意味不明な項目もあったりして、慣れていないと記入が結構難しい。

 ところが、日本の郵便局で貰った書類には、日本語のほかに英語と、郵便の共通語であるフランス語も並記されている。しかもスイスと日本、2つの書類を見較べてみると、どちらも内容はほとんど同じなことに気付くだろう。そんなわけで両方を見合わせれば、どこに何を記入していけばいいか一目瞭然。

 ちなみに保険に関する項目のように、日本語でも「?」な部分は一応空欄にしておけば、たいていは郵便局の窓口の人が適当に計らってくれる。    

国際郵便小包の種類

TIP:
スイスの郵便小包には安くて重宝な「船便」はない。以前はあったのだが、いつの間にか廃止になってしまった(海がないからか??)。現在もっとも割安なEconomy便は、船便と較べてかなり高価でちょっと痛いが、それでも日本郵便のSAL便よりはずっと安いので、まあ御安心を。

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4. 郵便局から荷物を発送する

 でき上がった小包と書類を郵便局の窓口に持って行き、発送方法と重量に応じた料金を払って任務完了。

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TIPその1
かならず事前に自分が利用する郵便局の営業時間を確認しておくこと。たいてい入口ドアに表示してある。地域や郵便局の規模によって若干差があるが、平日なら朝7時半〜8時に営業が始まり、夕方18時〜18時頃に終了するのが普通だ(昼休みあり)。土曜はもう少し遅く始まり、だいたい1〜2時間後に営業終了になる。

TIPその2
なにぶん旅行者なので、送り先の住所氏名=送り主の住所氏名、としか書きようがない時もあるが、それでは受け付けてくれない窓口係員もたまにいる。そんなときは仕方ない、住所をホテル気付にでも書き直して「小包が送り主に届かなかった場合の処置」の欄を「破棄」にするしかないだろう。

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5. 帰りの飛行機〜空港で

 帰りの飛行機の中で税関用の申告カードを2部もらい、どちらにも送った物の内訳や金額などを同じように記入する。空港の税関では、特に高額な買い物をしていなければ、通常の緑ランプの台に並べば良い。自分の番になったら税関の人に別送品がある旨を言って申告カードを見せると、2部の書類に判をつき、1部をあなたに返してくれる。これは小包があなたの手許に届くまで捨てずに取っておくこと。小包の中身が課税対象になった場合などは、荷物の受け取り/税金の支払いにこれが必要になってくる。
    

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 ……こうやって読むだけだとなんだか面倒臭そうに見える郵便小包だが、実際にやってみると意外に時間もかからず、簡単なものだ。面白い経験にもなると思うので、ぜひ試してみてはいかがだろうか。

なお、料金などの詳細はスイスポストの国際郵便HPから、

TIP:
日本の「小型包装物」同様、スイスでも総重量が2kgを越えない小包はグッとお徳な価格設定になっている。書類もシンプルで、窓口でくれる名刺大のシールの空欄部に内容品と値段を簡単に書き(日本語でいい)、「Present プレゼント」という欄にチェックマークをつけ、自分の名前をサインするだけでOK(サインは「税関でこの荷物を開封することに同意します」という意味)。
 自分用のほか、普段離れた所に住んでいる人へのプレゼントにも利用してみてはどうだろうか。ちなみに他人に送る場合は「別送品」にはならないので、日本の税関への申告は不要。

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