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アンデール タウンガイド
交通:
 クール Chur からレーティシュ鉄道サンモリッツ方面行き特急で約30分、トゥージス Thusis 下車。駅前の郵便バスターミナルでベリンツォーナ行き特急バス、あるいはヒンターライン行き鈍行バスに乗り換え、約15分。景色は鈍行バスの方が圧倒的に良い。ちなみに、どちらのバスに乗っても時間的には大差ない。
 ベリンツォーナ行き特急バスはクールが始発なので、そこから乗っても良いが、建前上は全席予約ということになっており、満席だと乗車を断られる(同じ特急バスでもトゥージスからならたいてい断られないようだ)

 集落内のバス停は3つ。特急バスは村はずれの国道沿い「Tgavgl(…発音できない)」のみ、鈍行バスは「ハイルバート Heilbad 」、「ポスト Post 」の2カ所に停まる。3つのバス停はお互いにいくらも離れていないので、あまり気にすることはない。

地域交通概念マップ
   
 アンデール村は、盆地状になっているシャムス谷の一番奥の部分にある。この地方の伝統的な、白くぶ厚い漆喰で塗り固められた家の多い村は、遠くから見ると白く輝き、なんとなく他の村よりも明るく見えて旅行者の心をそそる。実際村の中に入ってみると、のんびりとして明るく、決して期待は裏切られない。交通量の多い道路が村の外を通っており、静かなのもよい。まあ、何もないと言えば、何もない所ではあるが…

 このへんでは、日本の田舎でもよくあるように、大人も子供も関係なく、通皆りすがりに気軽に挨拶する習慣がある。同じスイスの田舎でも、ベルナーオーバーラントあたりではこういうことはあまりない。長く滞在すればすっかり顔なじみになり、トゥージスやクールの街で偶然村の人と出会い、お互いに手を振り合う、なんてことも。

 村の唯一(失礼)の観光的目玉は、なんといっても村の入り口にあるハイルバート、つまりクアハウス。水着着用(レンタルあり)で25mの室内温泉プールと露天の温泉プールがあり、露天の一部はジャグジーと打たせ湯になっている。この露天温泉プールはなかなか良い。ハイルバートの受付はそのまま村のツーリストインフォメーションになっており、ここで源泉の湯を飲むこともできる(無料)。40度に満たないぬるい湯は、飲むとかなり金気臭い味がする。

 商店は少ないが、小さいスーパー、しゃれたチーズ屋(おすすめ!)や雑貨屋などもあり、買い物には日頃それほどは困らない。どうしても、というときはトゥージスかクールの街に出ればよいだろう。

 ヒンターラインに沿った一帯は、他にもいくつかの村がある。中でもアンデールからバスでもう20分程奥にあるシュプリューゲン Spluegen は、リゾート地、あるいは伝統的な家並みを残す村として知られている。ただし、アンデール以外の多くの村は、ドイツとイタリアを結ぶアルプス越えのアウトバーンに直接面しており、終日ものすごいトラックの騒音に悩まされる。特にスフェールスからシュプリューゲン、ヒンターラインにかけての一帯は、よほど慎重に宿を選ばないと大失敗するので注意しよう。

アンデールの中心、ポスト前広場。かの佐貫亦男さんのエッセイに出てくるアーフェルス谷、ユーフに行くバスは、ここが始発。先日そのエッセイを読み返したら、この写真と全く同じ構図の写真が出ていたが、ン十年たっても全く風景が変わっていない

     

グラウビュンデン地方独特の、白く厚い漆喰の壁をひっかき、模様を刻む「スグラフィット」を施した家屋。写真はアンデールのものだが、谷によって模様のパターンはかなり違う
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